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旅客機を始め戦闘機などの先端についているノーズコーン。いくつか呼び方はあるのですが、現在ロッキード・マーティンが開発中のX-59という静かな超音速機の写真が入ってきました

アメリカなどで最近になりまた開発が始まっているのは超音速機です。この機体はNASAが各種飛行試験で用いるX-59という機体です。明らかに異常な形状をしているのですが、いったい何に使うとしているのでしょうか。

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この機体は非常に単純な理由で物体が音速を突破した時に発生する衝撃波を低減する目的があり開発されています。戦闘機を始め音速飛行できる機体はこのような形状にはなっていないのですが、NASAとしては一般人が乗る旅客機を超音速飛行させるため研究をしています。

アメリカでは旅客機がほんど上空を音速飛行することは確か禁止されています。原因はこの音速突破にともなうパーンという爆発音が地上に届き、問題になっているためです。

▼コンコルドの衝撃波(15秒付近)


▼F-16が低空で音速を突破したときの衝撃波(20秒)


そこでこの機体は静かに超音速飛行できる機体として計算されつくされた機体で、実際に飛行試験を実施しどの程度軽減できるのか、場合によっては将来の超音速旅客機の運命を左右させるような機体になると考えられます。

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NASAによると、このような構造を取り入れることで、ほとんど衝撃波が聞こえないか、ゴンという音程度に聞こえるほど軽減させたいとしています。この音については遠くで雷が鳴っているような音や、遠くで車のドアの開け締め程度の音にまで下げたいとしています。
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これがX-59の機体形状です。カナード、主翼、水平尾翼は63~76度と鋭い後退翼になっており、胴体サイズに比べて非常に小型です。最高速度はマッハ1.4になります。

ちなみに機体は様々な航空機のものを流用してるといい、例えば降着装置はF-16戦闘機、キャノピーはT-38、推進システムにはU-2とう高高度偵察機のものを、さらに操縦桿はあのF-117というステルス機のものが採用されているそうです。

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2021年1月時点で既に8割が完成しているといい、2023年には初飛行し、騒音試験も合わせて実施されるとしています。そして24年には人が住む地上で音速飛行を実施しそれがどのように感じるかテストするとしています。