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地球を中心に人類が観測可能な宇宙。つまり地球から見て地球の端になるのですが、この領域にいったいどれだけの数のブラックホールがあるのか。イタリアの研究機関は小さいものも含めて4000京個ほどあると発表しています。

ブラックホールは太陽のような恒星に分類される天体がその一生を終える過程で生まれるのがこの天体です。特に太陽質量の30倍程度の質量のある恒星が核融合を繰り返し重い元素を作り続けると死を迎えるのですが、その時超新星爆発を発生し質量を撒き散らしながらその中心部に残された超高密の中心核は圧縮され質量を増し、自らの重力さらに圧縮を開始。そして小さくなり続け重力が計算することができない無限大になるとブラックホールが生まれます。

そのためブラックホールそのものの質量は太陽質量の30倍ではなく、小さいものでは5倍程度のものもあるとされています。

How Many Black Holes Are in the Universe? 40,000,000,000,000,000,000

ではこのブラックホールどのくらいの数があるのでしょうか。これまでこの数はいくつか予測が立たれています。例えばこれまで人類が発見したブラックホールの数は200個程度です。JAXAは「(人類が望遠鏡などで)観測できる範囲内に1000億個以上ある」としており、最近発表されたNASAやハーバード大学など研究機関は、観測可能な宇宙の中には100兆個前後あるのではないかと説明しています。



では今回、イタリアの研究機関であるInternational School for Advanced Studies(SISSA)はどのくらいの数を出して来たのか。なんと4000京個です。なぜこのような数になったのか理由は『宇宙の単位体積当たりにどのような質量の星がどのような頻度で存在するのかを表わす関数を「星質量関数」』を用いた結果こうなったといいます。

つまり宇宙という全体の空間があるのですが、そのごく一部の空間に存在する様々な天体の数を計算してそこから全体を導き出すというものです。当然銀河の中心と外側で色々と変わってくると考えられるのですが、そのへんはうまく計算しているそうです。

そしてこのブラックホールが空間にどの程度存在するのか星質量関数を導き出し、半径465光年の観測可能な宇宙の中にどれだけブラックホールが分布しているのか全体を導き出したところ、4000京個という数が出たきたそうです。

文字通り天文学的数値になるのですが、ブラックホールの数は宇宙全体にある惑星との比較でも少数であり。私達の惑星のほうがその数万倍もしくはそれ以上多いということになります。ちなみに宇宙全体に占めるブラックホールの質量は、通常の私達見たり触ったり観測することができる普通の物質で見た場合は全体の15%になるとしています。