ウクライナに対する侵攻でロシアに対して厳しい経済制裁を行なっているアメリカ。一方でロシアから数%の原油を輸入していることについて、これを禁止する措置を発表しましたが、なぜ世界最大の産油国が外国から輸入しているのでしょうか。
アメリカは、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの制裁措置としてロシア産の原油などの輸入禁止を発表しました。この決定に関する「そもそもアメリカは自国の消費量以上の原油を産出しているのに、なぜ海外から原油を輸入しているのか」という疑問について、Nasdaqが解説しています。今回のウクライナ侵攻ではロシアがいったいどのようなものを輸出入しているのか、日本やアメリカもどのようなものを輸出入しているのか知る機会にもなっているのですが、今回はアメリカです。見出しの通りなぜ世界最大の産油国のアメリカがロシアを含む海外から原油を買っているのかという、ある意味でおかしな疑問です。
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理由は原油の質!?
これについて明確な内容が記載されているのですが、実は原油についても質というものがあり、人件費や設備、環境に対するコストを考えると外国から輸入したほうが実は安いという理由にあるといいます。記事によると、アメリカの原油はAPI比重、つまり水と比較してどれだけ重いかという比較ではアメリカ産の原油はこれが低く、ガソリンなどの軽い油種は他国産に比べて精油量が少ないそうです。また国内の精油所についてもAPI比重が高い(つまり外国産の原油)を精油する処理施設に最適化されているといい、要するに1日あたりの稼働時間とガソリンの取れる量を見た場合、アメリカ産では少なくなるということになります。
また採油費つまり「原油の脱水・脱塩」などの処理をアメリカ国内で行うと結局外国から輸入したほうが安価だとしています。当然人件費についてもロシアの平均月収は6万6000円程度とされており、アメリカとは倍以上も高いためそのようになってくると考えられます。
つまりこのような理由から大量の原油は産出するものの、使いにくいという理由から外国産の原油も輸入し続けなければならないという構図になっているとしています。