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ロシアのウクライナ侵攻で明らかになったのはロシア軍が使用する戦車T-80などの戦車が西側のジャベリンなどの対戦車ミサイルには余裕で貫通させるという問題です。これは将来的にロシア戦車の信頼性という点で大きな汚点となるのですが、なぜこのような自体になっているのか紹介します。

ロシア側、プーチン大統領が明らかに想定外だったのはウクライナ側の士気の高さとその抵抗の強さです。その理由には武器を供給しているNATO諸国の後方支援にも大きな理由があるのですが、やはり対戦車ミサイルなどの脅威が相当以上高いということが明らかになりました。


弱点を貫くジャベリン

戦車は車体正面が最も強固になっており、特定の弱点をピンポイントで突かれない以外は基本的に第二次世界大戦時に運用されていたような一般的な戦車では、極端な言い方ではゼロ距離からでも撃ち抜くことはまずできません(理論上)。
そのくらい現代の戦車は極めて頑丈にできておりアメリカの戦車については劣化ウランという重装甲を付けたものでは圧延均質装甲鋼板換算で600mm~700mm(要するに第二次世界大戦中の装甲厚換算で600~700mm)というレベルのカチカチになっています。

単純に換算装甲厚を考えると戦艦大和を超えるほどになると思われるのですが(正しい表現なのかも不明)もちろん弱点があります。それは戦車の側面・背面・天板です。特に戦車の天板つまり上面部分は共通して弱点になっています。これはウクライナに侵攻したロシア軍の戦車を見てもあきらかです。

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これは撃破されたロシア軍の戦車になるのですが、このように砲塔の周囲、そして上部を覆うように囲いがされていることがわかります。

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こちらも砲塔上部に網のような構造で覆われています。これはジャベリンのように上空に飛び上がって斜め上から突入してくるミサイルによる天板攻撃(トップアタック)を防ぐため即席で設けられたものです。

ちなみに砲塔や正面や側面に箱のような、四角い弁当箱のような構造がたくんさん付いているのですがこれは爆発反応装甲というもので特にミサイルからの脅威に爆発物を用いて逆に無力化するというものです。

▼爆発反応装甲で覆われたロシアの戦車。
爆発反応装甲

ロシア戦車の問題、輸出面に影響も

今回、SNS等でロシア戦車が撃破される映像等が多く投稿されており、今後ロシア製の戦車を購入するという国がどのくいでてくるのか不明です。いずれにしてもロシアの戦車にはこの手の対戦車ミサイルには明らかな弱点を抱えていることも事実です。

それは砲弾の位置です。西側の戦車は乗員スペースとは別に砲弾が収められ被弾しても誘爆する可能性が低く、仮に誘爆してもガスが車体の外に逃げる仕組みになっています。しかしロシアの戦車は同じ空間に砲弾と人が入っておりミサイルが貫通などした場合は誘爆し車体ごと吹き飛びます。

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参考:アメリカの戦車砲塔に砲弾があるものの区画が別れており仮に誘爆しても車内に影響が出ないようになっている。影響が出にくいようになっている。
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参考:一般的なロシアの戦車。自動装填の関係から乗員スペースの下に砲弾があり貫通されれば誘爆、全員が死亡する可能性が極めて高い。

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西側、東側の戦車は対戦車ミサイル等の攻撃から完全に防ぎ切ることはできません。ただし、被弾した場合の安全性の面を見た場合、ロシアの戦車には構造的な欠点があり大変な被害がでることに繋がります。

※内容は一般論で個々の戦車に対して正確なものでありません