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明らかに格下相手のウクライナ軍に被害を出しているロシア軍。一方で、占領地域も拡大しているのですが、先日そんなロシアで1両のみ生産されたT-80UM-2が撃破されていた…一部で報じられています。

The DriveによるとTwitterなどの投稿で明らかになった内容として、2022年3月17日にウクライナ北東部のスームィ州トロスティアネッツという街でT-80UM-2という非常に珍しい試作戦車が撃破されていた可能性が高いと報じています。


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軍事に興味のある方であれば一度は目にされたことがあるのではないでしょうか。この特徴的な主砲。そしてそれを包むように隙間なく搭載された爆発反応装甲。

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この戦車はObjekt640とも知られているもので、1997年にモックアップが作られ、1998年頃から製造が始まったなどとされています。車体はT-80Uをベースに構造をアメリカなどの西側の戦車を意識したものに大幅に改良したものになっているとされています。

最大の特徴はやはり砲塔です。
先日なぜロシアの戦車が弱いのか「自動装填の問題で車体の底に砲弾がありこれが誘爆すると人もろとも車体が吹き飛ぶ」という趣旨の説明をしました。T-80UM-2はその問題を解消するため西側の戦車のように砲塔の後ろ側に砲弾を収めることで仮に誘爆しても砲投後部の長方形の部分が吹き飛ぶだけで車内の安全性は一応保たれる…という設計になりました。

その他には生存性を高めるため新型の爆発反応装甲とアリーナと呼ばれるアクティブ防護システムを搭載。これは飛来する対戦車ミサイルを検知し自動で迎撃するというものです。

こちらがアリーナと呼ばれているアクティブ防護システムの動作例です。被弾する前に空中で爆破しています。

本当にT-80UM-2なのか?という疑問

この戦車最大の特徴はこの砲塔なのですが、撃破された戦車には残念ながらそのような構造は見えません。記事ではObjekt640…1両だけ…などと記載されておりこれでほぼ間違いない表現になっています。
元のTwitter投稿でもT-80UM-2となっているのですが、比較資料が一般的な形状がT-80になっています。T-80UM-2がその後改良されこのよな形になったのかは不明なのですが、投稿者が「T-80UM-2」だと主張しているのでそう紹介しておきます。

私はこの手のロシア戦車がT-72の後継型なのかT-80なのかそれともT-90なのかは未だに見分けができていません。個人的には通常のT-80UDといったタイプではないかと思います。