家庭内で発生する喘息の原因に関してタバコの煙、花粉、カビ、ほこり、ペットの皮脂、有害ガスが知られているのですが、クイーンズランド大学が行なった研究によると、その中でも特に問題になるのはタバコの受動喫煙、ガス暖房機、そして寝具の3つが最も原因として高いことがわかったとしています。

オーストラリアでは実に9人に1人が喘息を患っており、薬の購入や喘息を抑えるためかなりの費用を支払っているとされています。そんな厄介もののアレルギー性喘息に関して家庭ではいったい何が原因になっているのか。

研究では137,840人を対象に56の項目で研究を行いました。この項目とは喫煙やカビといった項目になります。その中でも最も発生の原因となった受動喫煙、ガス暖房機、寝具について何がどう影響しているのか紹介します。

記事によると、受動喫煙については患者は他人が出した煙を吸い込むと、正常な肺と免疫系の発達が妨げられ気道の炎症を引き起こすことになるのですが、その発生原因はこの『他人のタバコ』であることが特定されたとしています。特に子供は自宅で両親、特に母親の喫煙にさらされることが主な原因になっているということで、喘息の原因は親にあるということになります。


次にガス暖房機。これは日本ではほとんどないと考えられるのですが、二酸化窒素ガスを放出する暖房機が気道を刺激し喘息を引き起こすことがあるとしており、要するに石油ストーブや場合によってはガスコンロが原因で喘息を引き起こしている可能性があります。したがって、ガスヒーターといった化石燃料由来の暖房システムになると考えられるのですが廃止することが望ましいとしています。

次に寝具です。研究では家庭内で喘息が発生する理由としてマイクロファイバー、ナイロン、アクリル素材などの化学繊維の寝具が原因で発生していることが分かったとしています。比較すると羽毛の寝具よりもハウスダストアレルゲンレベルが高いとしており、例えば綿といった天然素材が多く使われている寝具が望ましいとしています。

研究者によると、喫煙が喘息の原因になることは知られているもののガスヒーターや化学繊維で作られた寝具なども同じように影響を与えているということは知られていないとしており、特に喘息が公衆衛生問題になっている国では今後より広く伝えられるべきだと説明されています。

参考：Passive smoking, synthetic bedding and gas heating in homes show the strongest links to asthma

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。