赤い森

先日、ウクライナにある原子力事故をおこしたチェルノブイリ原発がロシア軍に占拠されるという出来事があったと伝えられていましたが、この時の様子について放射性物質に汚染された「赤い森」をそのまま通過してくるという行為を行なっていたと報じられています。

 ウクライナ北部のチェルノブイリ原子力発電所の職員は、ロシア軍が2月末に同原発を占拠した際、放射性物質でひどく汚染された「赤い森」を防護具なしで通るという「自殺行為」を行ったと述べた。職員によると、同原発の1986年の事故について知らない兵士もいたという。

ロイター通信
1986年、ソ連時代に爆発し当初その事故発生が隠蔽されていたチェルノブイリ原子力発電事故。現在も放射性物質に汚染され人が住めなかったり侵入も制限されている「赤い森」が存在しています。

その赤い森からやってきたのはなんとロシア軍だったという今回の内容。これはウクライナの現地の人しか知らない箇所も多くあると考えられるのですが、なぜそのようなエリアを突き進んできたのかは不明です。

赤い森、汚染の状況は?

気になるのはこの赤い森がどの程度汚染されているのかです。これは2005年に発表された赤い森における放射線量は1時間あたり高いところで1レントゲン目安として9000μSv/h程度、それ以外の一般的なところで10ミリレントゲン900μSv/hと報告されています。

ではこれがどのくらい線量なのか比較すると例えば東京における現在の放射線量は0.06μSv/hです。つまりこの比較的汚染が低い10ミリレントゲンの地域と比較すると東京の約1万5000倍という数値になります。

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もっと高い福島第一原子力発電所ではどうなのか。これも東電により発表されているのですが、2022年3月31日における6号機5号機から離れたMP-4と呼ばれている観測地点で約1μSv/hです。つまり1/900程度のとなっています。

この数値に付いては測定箇所で大きくことなると考えられるのですが、福島第一原子力発電所の敷地の外側エリアでもこの程度であることがわかります。

戦車は守られているが…

この手の戦車は第二次世界大戦後間もなく登場した戦車には既に核戦争を備えた装備が搭載されており、化学兵器にも耐えられるよう戦車自体が密閉されているため特に問題はないと考えられます。福島第一原子力発電所でもこのような戦車が投入されたことを記憶しています。

しかし、兵士らがトラックに載せられるような形だったり巻き上げたチリは必ずその戦車つくため車両や衣服が汚染されるということになります。このような無謀なことを行なった理由は放射能汚染された地域、つまりウクライナ兵がいないところを通過したかったことが考えられます。