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夜間に行われる犯罪。特に駐車中の車に関連する犯罪は夜間に行われるそんなイメージもあるのですが、今回は街にある街灯と犯罪がどのように関係しているのかイギリスの研究機関が行なった内容を紹介していきます。

この研究はロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディスン(ロンドン大学)およびユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンが共同で行なったもので、街灯の明るさ、点灯する時間などから犯罪率がどう変化しているのか調査したものです。

Car thefts actually decrease when street lights are turned off

これは実に10年間、特定の街に対して行なったものになるのですが、その結果として夜間の街灯の点灯や設置率で例えば住居侵入や窃盗、暴力などの犯罪に差はなかったとしています。しかし変化があったのは車上荒らしでした。

まず、今回調査の対象になったのは深夜になると消える街灯、深夜になると弱くなる街灯、そして一晩中点灯する明るい街灯です。

この中で最も犯罪率が高くなったのは一晩中点灯している明るい街灯でした。これは街灯が何もないエリアよりも50%も増加しました。深夜になると消える街灯については車上荒らしは減ったものの車自体の盗難については変わりませんでした。

なぜ一晩中点灯する街灯では犯罪増えたのか?

私達の感覚では明るければ明るいほど犯罪も減ると思ってしまうのですが今回の調査では逆の結果がえでました。理由はあるのでしょうか。これはよく分かっていないもののあくまで研究者の説として、犯罪者は車上荒らしをする際に車に何が残っているのか「光」で見ようとするといいます。つまり暗ければ自前のライトを付けなければならずこの行動が犯罪者からすると危険に感じていると指摘しています。

内容は以上なのですが、要するに夜は逆に暗くすることで犯罪者が嫌う『光』を使わなければ車内が確認できないため逆に抑止効果がでるというものです。その結果、犯罪者はより明るいところに移動し車内がよく分かる街灯の下にあるような車を狙うため明るい街灯では犯罪率が高くなるということのようです。

もちろん都市部なのか田舎なのか、夜間人目があるのか無いのか大きく変わってきそうなのですが、いずれにしても犯罪者は自らの存在がバレてしまう行動は避ける傾向があると考えられ、暗い場所で急に点灯するようなライト、例えばセンサーライトなどはチカチカ光ることでひと目に付きやすいという理由でるためかなり有効ではないかと考えられます。

*抄訳したものを掲載しています