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ウクライナの首都キーフ郊外にあるブチャという都市。首都陥落に失敗したロシア軍が撤退した地域では発見された多数の市民虐殺行為に関して、海外メディアによると人工衛星写真から先月中旬ごろから放置されていた可能性があることがわかったと報じています。

ニューヨーク・タイムズによると、「ロシア軍がブチャでの民間人の殺害をしていない、西側がデタラメをいっている」などと主張していることに関して、人工衛星の写真からロシアがこの街に侵攻して以降少なくとも3月11日の時点で遺体が放置されていたことが明らかになりました。

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▲ブチャの位置 ウクライナの首都キエフ(キーウ)の中心地から約25km、街と街はわずか3km程度しか離れていない

これはMaxarTechnologiesという人工衛星から撮影した写真やデータなどを販売している企業から得た情報で明らかになったもので、それによるとブチャのヤブロンスカ通りある遺体については3月9日から3月11日までの間に人工衛星が撮影した写真に遺体があることを示す暗い物体が発見されたと報じています。そして4月2日にウクライナ側が撮影したヤブロンスカ通りの映像から同じ位置に遺体が見つかっているとしています。

この虐殺行為についてはSNS上では「遺体の一部が動いている」「市長が虐殺のことについては言及していない」という書き込みもありウクライナ側が行なった「自作自演だ」と主張するユーザーも存在するのですが、残った市民の証言と今回の衛星画像から虐殺行為が行われていたことはほぼ間違いありません。

他の街でも虐殺行為は行われている可能性が高い

今回はブチャという都市で明らかになった行為ですが、問題なのは他の地域はどうなのかという点です。当然発生している可能性が非常に高いと判断できます。したがって、今後人工衛星画像から同じように路上に放置された遺体が解析される可能性が高く、当然アメリカ軍もこの分析は行なっていると考えられ、また一歩ロシアに対する制裁などが強まることが予想されます。