米プリンストン大学の教授が行なった研究として、アメリカの1億7000万人以上が乳児期に高い鉛に晒され、そのうち数百万人は現在の基準値の5倍以上に晒された可能性があるとしており、特に汚染がひどかった1970年代生まれの人についてはIQが6～7ほど低い可能性があるとしています。

Lead Exposure May Have Lowered The IQ of Half of Americans Since 1940

この調査について2015年における調査としてアメリカ人の54％以上が子供の頃に危険なレベルの鉛に晒された可能性があるという結果が得られており、この鉛はいつの時点でも有害ですが特に成長期に晒されると脳の発達を妨げ永久的な学習障害や行動障害といった問題を引き起こします。

ではこの鉛はどこからきたのか。理由は自動車用の有鉛ガソリンです。アメリカでは1996年に禁止されたものの1996年以降に生まれた子供はその両親や祖父母よりも血中鉛濃度は低いものの、産業革命以前と比較すると遥かに高い数値になっているとしています。

冒頭紹介したIQについて紹介すると有鉛ガスの使用がピークに達していた1960年代と1970年代に生まれた人々は、平均6〜7IQポイントを失った可能性があるとしており、この間の鉛曝露は現在の健康限界の8倍になるとしています。これを国全体としてみるとIQは8億2400万ポイントとしており、国民一人あたり3ポイントほど低くなるとしています。

現在有鉛ガソリンは使用されていないものの、産業廃棄物や塗料、配管、弾丸などに使用されていることがあり依然として晒され続けています。特に日本では魚をたべる文化があり、マグロなど大型魚などに大量に含まれていることから特に妊婦の接種は制限されています。