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アメリカの大統領らが乗り込む旅客機、エアフォース・ワン。映画などでもおなじみの機体ですが、現在運用されている2機に関して、あくまで2機動かすコストは1時間あたり日本円で約2,200万円だったことが明らかになりました。

The U.S. Air Force has disclosed that the average per-hour flight cost to operate its two VC-25A Air Force One aircraft was $177,843 in Fiscal Year 2021. This was actually down the price point to fly and maintain these highly specialized presidential aircraft as of 2015, which the service had pegged at $206,337.

The Drive
これは2016年12月に大統領に提出された資料の一つに記載されていたものらしく、当時トランプ大統領が現在のVC-25Aに置き換えられるエアフォース・ワン、VC-25Bの2機の購入に関しては批判的だったといいます。その後、トランプ大統領に対して何らかの提案があり結局VC-25Bの購入・配備が決定となり、2025年以降に新しいエアフォース・ワンとして運用されることになります。
ちなみに2機のVC-25Bの改装費用は4200億円です。

極めて特殊な装備を付けたVC-25A。つまり現在のエアフォース・ワンですが例えば空中給油機能や核爆発のEMPによる故障を防ぐためその対策がされているなど、私達が乗る旅客機とは全く別の機体に仕上がっています。ちなみに過去に映画で登場したような脱出ポッドはついていません。

そのVC-25Aについて2020年10月1日~2021年9月30日の1年間における運用コストを単純に飛行1時間当たりで割ると177,843ドルとなり両機で1時間あたり2,200万円という額になりました。もちろんこれは2倍の飛行時間があればメンテナンス回数も多くなるのですが単純に半分程度の1100万円になるものであり、不要に使わなければ安く運用できるというものではないことがわかります。

ちなみにあくまで飛行時間あたりの運用コストとしてはB-2ステルス爆撃機は130,159(1620万円)、E-4Bという空中指揮所機能を備えた航空機は159,529(1980万円)、B-52H 70,388ドル(870万円)、C-5 100,941ドル(1255万円)で、エアフォース・ワンを含めアメリカ軍全体の運用コストから考えるとエアフォース・ワンが締める割合は全体の1/100以下ではないかと考えられます。

*抄訳したものを掲載しています