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ウクライナのNATO加盟、もしくは西寄りの体制を軍事力を持って解決しようとしたロシア。結果、ロシアという地位は無いレベルに落ちる結果になったのですが、一方でこれまで中立の立場をとってきた隣国フィンランドがここに来てNATO加盟を目指すというロシアにとっては悪夢のような事態になりつつあると報じられています。

国内外の複数メディアは今月13日、フィンランドのサンナ・マリン首相は訪問先のスウェーデンで記者会見し、北大西洋条約機構(NATO)への加盟するかどうかの判断を数週間以内にも決断すると報じられています。

フィンランド、NATO加盟「数週間以内に」申請判断へ…ロシアに配慮していたが「全て変わった」 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン

フィンランドは地理的にみるとロシアの隣国です。国境は1000km以上接しており、仮にフィンランドが加盟するとなると戦争が起こった場合、北欧の北西、フランスドイツ方面の南西からの2正面から攻撃されるというこの手の軍事に知識がない人からしても、ロシアとしては極めて軍事的に難しい事態に陥る可能性があります。

フィンランドといえば第二次世界大戦後間もなくソ連がフィンランドに侵攻した冬戦争がありますが、モスクワ講和条約で国土面積のほぼ10%に相当を失うという結果となり、事実上フィンランドは敗北した結果になりました。

▼ソ連の侵攻を受けて失った領土
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このようなソ連、つまりロシアに対しては反感がありそうなのですがフィンランドは戦後NATOに加盟しませんでした。「ロシアを刺激したくない」という単純な理由です。

しかし、ロシアが行なったウクライナ侵攻で明らかになったのは核を持つロシアに対して西側つまりNATOを含めアメリカは軍事介入はしないということです。つまり今後フィンランドに難癖をつけロシア軍が侵攻した場合、西側は協力しないということが明白になりました。
そのためウクライナ侵攻間もなくフィンランドはNATOへの加盟目指した方がいいとい世論も急速に高まり今回の対応に出たということになります。

いずれにしても国民の支持が必要不可欠なのですが、相次ぐロシアの蛮行を横面に今後も中立を保つというのは逆に政権批判が高まる恐れがあり、国としては現時点では加盟を目指すという対応を取らざる負えないという状況も見え隠れしています。

ただ、NATO加盟は自由にできるわけではなくNATO加盟からの判断もあるため今後本当に加盟できるのか。場合によってはフィンランドはスウェーデンと協力して加盟を目指すとしており、この地域は双方の女性首相により軍事的な大きな転換点を迎えようとしています。