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観測史上最大、少なくと直径120km以上あると言われている彗星『C/2014 UN271』。名前はベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星とメディア泣かせの名前が付けられたのですが、これが2031年に地球に大接近すると発表されました。しかし、この巨大彗星。目で見ることはできないとしています。

公転周期、実に300万年。つまり300万年に1回太陽を一周するというとてつもない軌道を描いている天体になるのですが、この直径120km以上の彗星が9年後、2031年に太陽と地球に大接近します。

この彗星は天文学者のペドロ・ベルナーディネッリ氏と ギャリー・バーンスティン氏が2021年に2014年に撮影されていたチリのセロ・トロロ汎米天文台にある直径わずか4メートルのダークエネルギーサーベイというシステムによるデータを分析した結果、42枚の画像のなかから肉眼では黒にしか見えない22等級の天体とし発見されたことが由来です。

その後、解析が進められた結果、超巨大であることがわかり、2014年時点で海王星軌道の約43億キロの地点でも発見することができたとしています。

▼彗星のサイズ
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ハレー彗星の21倍!でも見れない…

ということは夜空を左右に貫くほど大きく見えたときもあったというハレー彗星並の大彗星になると想像してしまうのですが、残念ながらこの彗星は肉眼では観測できないとされています。何故なのか。

これには理由がありこの彗星が太陽に近づかないためです。具体的には距離にすると土星の公転軌道のやや外側を大回りして通過します。想像してもわかるように、夜空にオレンジ色の土星が見えるのですが、あの土星サイズの天体でさえ見えるか見えないか微妙なサイズでそこに120kmの天体があったとしてもまず肉眼観測は不可能です。
さらに太陽から離れているため尾もそれほど伸びないと考えられており、推定では目安として最も輝いたとしてもわずか冥王星程度の明るさにしか見えないとしています。そのため観測するには200mm程度の大型望遠鏡が必要だとしています。

そしてそんな望遠鏡を用意しても北半球に位置する私達はほぼ観測することができません。これは南半球の星が見れないのと一緒で、南半球でよく観察できるためです。

2031年にかけてこの天体の話題がでてきそうなのですが、残念ながらそのような見えない天体に過ぎないということになります。