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月面に再び宇宙飛行士を戻すことになったNASA。これに関してアポロ計画時とは相当異なる探査になることはほぼ確実なのですが、探査から宇宙飛行士の位置把握まで様々な用途に使えるレーザースキャンを開発していると報じられています。

Torch Technologies IncとNASAが共同で開発を目指しているのは『KNaCK』と呼ばれる装置です。これはキネマティックナビゲーションおよび地図作成を行うナップザックのそれぞれの頭文字をとったもので、主な装置として周波数変調連続波(FMCW)LIDARを搭載しています。

これは変調された周波数のレーザービームを放ち反射したレーザーをLIDAR検出器で測定することで立体的な地図としてマッピングすることができるというものです。

Look at This Epic NASA Backpack Designed For Astronauts on The Moon

なぜこのような装置が必要なのか。理由はいくつかあり、そもそも月にはGPS衛星が無いため宇宙飛行士らの位置把握がそもそもできないという点です。アポロ計画では当初宇宙飛行士らはカメラの映る範囲、つまり着陸船から見える範囲でのみ活動していたのですが、その後月面車が投入されたことで飛躍的に稼働距離が伸びました。
そして今回も月面車を開発しているらしいのですが、今後探査を行うであろう月のクレーター内部など危険な任務も行われることが予想され宇宙飛行士らの位置把握は必須になってくると考えられます。

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KNaCKはもちろんマッピングや位置把握だけではなく、センチメートルレベルで超高解像度の3Dマップが作れるということから科学的な調査でも今後使用できるとしています。

性能としては毎秒数万点という頂点を測定できます。引用先には砂煙を作るドローンの映像があるのですが、その砂煙も立体的に見えるほどの精度であり調査対象の岩石を地上から指示するのにも宇宙飛行士に伝えるのに有効だとしています。つまり地球上でも月面を再現することができるということにも繋がり、事前シミュレーションが行えることで探査の効率化も図れるということになります。

ちなみに重量は18kgになるとしており、どの時点でこれが導入されるのかは不明なのですが、このような装置を宇宙飛行士らの装備として運用される可能性があります。