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一般道から高速道路様々なところに電光掲示板が設置されていますが、海外の研究によるとこの手の電光掲示板が逆に交通事故を誘発させている研究内容が報じられています。

高速道路に設置されている電子看板(デジタルサイネージ)には、渋滞や制限速度変更などの道路状況に関するメッセージが表示されるほか、時には安全運転を促すメッセージが含まれていることもあります。アメリカでは28の州で「州全体の交通事故死者数」を表示して安全運転を促す試みが実施されていますが、新たな研究では「交通事故死者数の表示は逆効果であり、交通事故を増やしてしまう」との結果が示されました。

GIGAZINE
ミネソタ大学及びトロント大学の研究者は電光掲示板に『交通事故死者数』を表示する行為がどのような影響を及ぼすのかを今回調査しました。対象になったのはこの死者数表示を2012年から行なっているテキサス州です。
理由はいくつかあるのですが、その中でも1ヶ月のうち1週間だけ電光掲示板に『交通事故死者数』を表示することを行なっておりその変化を調査するには最適だったという理由です。

調査は2010年~2017年までこの電光掲示板周辺、つまり電光掲示板の進路先で発生した事故を調査しました。結果、電光掲示板に死者数を表示すると交通事故が多くなることがわかったというものです。

具体的にはこの電光掲示板から1kmまでの距離では2.7%増加、10kmの距離で合計4.5%も増加していたとしています。そしてこの事故は電光掲示板に死者数を表示したときに限って多く発生していたことがわかりました。

事故の内訳は不明なのですが、複数車両が絡む事故が増加したものの単独事故は変わりませんでした。これに関して研究者は「複数車両が絡む事故増加は、電光掲示板に交通事故死者の数を表示させることで注意散漫に最も関連しています。つまりより小さな運転ミスを引き起こすことを示唆しています」と主張しています。