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ロシアメディアによると、旧ハリコフ(ハルキウ地域)近くのイジューム市でロシア軍がウクライナ軍が配備したと考えられるDM-12 PARMという無反動砲タイプの珍しい対戦車地雷が見つかったと報じられています。

具体的に発見された日時は不明なのですが、ロシアメディアが今月25日に報じた内容としてウクライナどころかドイツ以外で配備された実績がないDM-12 PARMが発見されたと報じています。

発見されたのはハルキウから南東に110kmほどの位置にある都市です。そのため現在ロシア軍により侵略を受けている地域と考えられます。

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こちらが実際に発見されたDM-12 PARMです。記事によると、発見されたイジューム市周辺ではウクライナ軍が装備していた様々な兵器が発見されたとしており、特に兵士が運用する対戦車ミサイルや対空ミサイル、装甲車両、小銃、ヘルメット、そして外国の戦闘服です。これらはイギリスからウクライナに持ち込まれたと考えられるものが多かったとしています。

ウクライナで見つかったDM-12 PARM

問題なのはこのウクライナで見つかったDM-12 PARMはいったどのような経緯で設置されたのかです。DM-12 PARMは初期型の1型と2型があるらしく、初期のDM-12 PARM 1は1980年代にメッサーシュミット・ベルコウ・ブロームにより開発されたもので、1983年から1988年の3月まで試験され1986年に運用が承認され1991年にドイツ軍に配備されています。

生産されたのは1980年代後半から1998年でこの間PARM2という改良モデルも生産されました。しかし、「地雷」ということからドイツ国内で批判をあびたことで1998年に生産および開発が中止となりました。

つまり最新のものでも1998年製となるのですが、現在もPARM1とPARM2を含め唯一ドイツ軍で運用されています。ドイツは今回のウクライナ侵攻に対して様々な対戦車兵器を投入しておりその一つがこれだったと考えられます。

DM-12 PARMの性能

DM-12 PARMは地面に埋めて使うような地雷ではありません。これは地上設置化型の無人により発射される兵器です。性能はPARM 1とPARM 2で異なるのですが成形炸薬弾というメタルジェットで敵戦車装甲を貫く一般的な対戦車ロケットと同じような弾頭を搭載しています。

性能としてはPARM 1が弾頭直径132ミリ、2が110mmと小型化しているのですが重量は1が1.4kg、2が1.9kgと重くなっています。射程は1が2~40m、2が4~100mです。貫徹力は1が600mm、2が750mmと威力が強くなっています。

この兵器最大の特徴は地雷のように運用できる兵器である点です。設置はそれぞれ小さい3脚に取り付けられます。1のモデルでは三脚の上に360度好きな方向に向けることができ上下の首振りは90どの真上から45度下方向に向けることができました。

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2ではさらに赤外線センサーを採用しており、設置から40日間動作状態に入ります。この間バッテリー消費を抑えるため音響センサーが動作しており戦車や装甲車の走行音が探知すると動作モードに切り替わります。

さらに2では車輌の長さに対して発射するかどうかも判別していたらしく、通過した1台目ではなく2台目、もしくは3台目に反応して発射する運用方法となっていました。40日を超えて発射されない場合は電源が自動オフになり無力化されるとのことです。