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世界中で確認され始めている子供の肝炎。その1割はかなり重症で肝移植が必要な状態だとされているのですが、いずれも原因が全くわかっていないというこの小児肝炎に関して現時点でどのような共通点があるのかなど分かっていることを紹介していきます。

ScienceAlertの記事によると、この原因不明の小児肝炎は世界保健機関の発表として少なくとも11カ国、170人で未知の重度肝炎となっており、そのうち1人は既に死亡しています。この数に入っているのかは不明ですが、最近日本でも同じ肝炎が確認されています。

Mysterious Children's Hepatitis Has Now Spread to 11 Countries. Here's What We Know

まず現時点で分かっていることはこの肝炎が従来の肝炎ウイルス由来ではないということです。これら170人の子供はABCDE全ての肝炎ウイルスに陰性(非感染)でした。患者数は今月4月末時点でイギリスで114人。他にはスペインが13人、イスラエルが12人、アメリカ9人と続きます。欧米で広く確認されているのは医療技術が理由と考えられます。

この小児肝炎は生後1ヶ月から16歳までです。ほとんどは10歳未満で確認され、特に5歳未満が多く締めてます。大多数がこれまで何の病気も患っていないような健康体だったとしています。肝炎を患うと黄疸・下痢・嘔吐・腹痛を訴えこれが続くと重症化していきます。そのためお子さんが謎の腹痛や嘔吐を繰り返す場合は念のため病院で診察を受けたほうが良いと考えられます。

死亡した人を除く169人のうち17人は肝移植を必要なほど重症化しています。現時点で医師、および研究者も肝炎を引き起こす原因が全く分かっておらず予防方法も治療方法も無いとしています。

原因はなんなのか。これについては様々な説があるだけでよく分かっていません。子供が肝炎を引き起こす例は稀です。新型コロナワクチンが原因説についてはそもそも対象年齢ではなくワクチン由来ではないとしています。

そしてWHOによると170人のうち74例と高確率でアデノウイルスが確認されました。アデノウイルスは風邪のよな症状や気管支炎、下痢などの様々な病気を引き起こすものの重篤になる場合は稀です。イギリスの調査では肝炎発症者の75%からアデノウイルスが見つかったとしており、あくまで研究者はアデノウイルスと他の何かが組み合わさることで重症化している可能性があると指摘しています。

そして考えられるのは新型コロナウイルスが原因で私達の身の回りの環境が綺麗になりすぎたことで子供らの免疫機能が落ちている可能性がありこれが原因の可能性もあります。これを証明するようにWHOによるとアイルランドやオランダなど複数の国ではアデノウイルスの症例が新型コロナ発生後に増加していることが記録されています。

また新型コロナウイルスとアデノウイルスの相互作用も考えられるのですが、169例のうち新型コロナとアデノウイルスが両方確認されたのは19例でした。うち20例は新型コロナのみ陽性だったとしています。(謎の肝炎はアデノウイルスが全員からみつかっていない)

仮にこのアデノウイルスが原因であるならばどうすればいいのか。実はアデノウイルスも新型コロナと同様に消毒が有効であり、特に手の消毒で効果が高いとしています。今回の謎の肝炎については今後1ヶ月以内に何らかの原因が明らかになるのではないかと多くの専門家が話してます。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。