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豚が感染し発症した場合、ほぼ100%の確率で死亡するという脅威的なウイルス『アフリカ豚コレラ(ASF)』。これについて現在どうなっているのか。一方で日本ではASFとは異なるもののウイルスが異なる豚熱・豚コレラ(CSF)が広まっていることについても紹介します。

2019年。韓国北部、北朝鮮との国境付近で初めて確認されたのはアフリカ豚コレラ(ASF)です。このウイルスは極めて危険なもので、極めて感染力が強くそして感染し発症した場合はほぼ間違いなく死ぬという豚にのみ感染するコレラウイルスです。

韓国では発生以降北部、つまり一般人の侵入が禁止されている地域で発見されたことから韓国政府はASFのさらなる南下を防ぐため83億円ほどの費用で1400kmという広大なフェンスを設置。これにより物理的に広まらないよう対策を行いました。



以降、新型コロナウイルスの発生もありこのASFについてはほとんど報道されることもなかったのですが、最近続報がありました。現在ASFが韓国でどうなっているのかについて2019年に発見された地域から既に240km程度南下した地域でも発見されておりフェンスの設置が無駄になっている現状になっているとしています。

発生件数についても今年だけで670件、2019年以降既に12万頭の豚が殺処分。それが行われた21の養豚場のうち、再開できたのもわずか6箇所のみとのこと。韓国ではこのように致命的なウイルスが確実に拡大しており、全国に広まる懸念もでているとしています。

日本では豚熱・豚コレラ(CSF)が流行

実はASFと似た致死率、感染力がある豚熱・豚コレラ(CSF)が同じように広まっています。深刻さについては評価は難しいのですが、下の図を見てもわかるように中部から近畿、東海、北陸、東北と広まっておりかなり深刻なレベルと考えられます。

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ちなみにこれは野生のイノシシに対する豚コレラ(CSF)の発生状況であり、韓国でも同様のことが言われていたのですが野生のイノシシにより豚コレラが媒介されるという状況でこれを防ぐのはかなり難しいと考えられます。
だた、CSFについては経口ワクチン散布が行われており、それがないとされるASFに比べるとまだマシといった感じです。

いずれのウイルスも人間に感染することはないのですが、豚の世界では相当まずいウイルスが流行しているという私達人間の間で流行っているウイルスといろいろ比較してしまうというなんとも言えない状況になっています。

参考:朝鮮日報