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韓国の複数メディアによると、韓国陸軍の特殊部隊で所謂『対北斬首部隊』に所属する大尉が北朝鮮から資金を得た上で様々な軍の情報を漏らすスパイ活動を行なっていたとして、初めて現役軍人が逮捕されたと報じられています。

2022年4月28日、韓国の複数メディアは29歳のA大佐を国家保安法違反の疑い(スパイ容疑)で逮捕したと報じられました。この人物については現在いくつか情報がでているのですが、2017年12月、韓国政府が北朝鮮がミサイルを発射を繰り返すなどして創設した『陸軍第13特殊任務旅団』に所属していました。

'北 간첩 의혹' 현역 대위, 알고보니 '대북 참수부대' 소속 - 머니투데이

この旅団は一体何をする部隊なのか有事の際、核兵器の発射権限をもつ唯一の人物である金正恩氏およびその周辺の指導部を殺害し指揮系統を麻痺させるという目的で創設された部隊です。その部隊に北朝鮮のスパイとしてA大佐が現在までいたということになります。

具体的にA大佐は何をしていたのか。韓国メディアによると、今回逮捕されたものとしては2021年11月、北朝鮮のハッカーから直接指令を受け韓国の『国防網陸軍ホームページ画面』『陸軍保安規則』などを撮影して転送、その代価で4800万ウォン(500万円)相当のビットコインを受けた疑いを受けているとのことです。

それ以外にも2022年1月には北朝鮮ハッカー指令を受けて民間人B氏(暗号資産投資会社代表のイ氏38歳、当然こちらも北朝鮮のスパイ)と連携して合同指揮統制システム (KJCCS: Korea Joint Command Control System)という韓国軍C4Iシステムの最上位の核心的基盤となるシステムに対してハッキングを行うためのログイン資料などを撮影して転送した疑いも受けているとのこと。

他には得た報酬でスパイ活動用のPCや携帯電話などを購入していたことが明らかになっており、例えばカメラ内蔵の腕時計を勤務中に着用するようなことも行なっていたといいます。

事件の背景、北とのつながりは

韓国に関しては昔から中枢に北朝鮮のスパイがいるなどという話はよく耳にするもので、そうでなくとも例えば韓国の自称活動家としている人間が北朝鮮の工作員だったということも実際に発ししています。

では今回逮捕された29歳の大佐と38歳のイという人間はどのような繋がりがあったのでしょうか。
韓国メディアによると、A氏と北朝鮮工作員との接触は大学時代の同期からの紹介で知り合いになったとしています。この同期という人物と北朝鮮工作員はオンラインコミュニティで知り合ったといわれており、A氏は最近暗号資産でかなりの借金があったらしく、北朝鮮の工作員が「軍の機密を持ってくれば暗号資産を渡す」と持ちかけたといいます。

暗号資産投資会社代表のイ氏についてもこの工作員から7億ウォン(7200万円)という莫大な資産を受け取っていたとのこと。