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旅客機が墜落する様々な原因の一つ、その多くを締めているのは人間です。近年、特にパイロットが発生させた事故は複数確認されているのですが、2016年に発生した墜落事故もパイロットがコックピットで喫煙していたことが結果的に発火原因を作っていたという内容が報告されました。

2016年5月、にパリ=シャルル・ド・ゴール空港を離陸、エジプトに向けて飛行中に地中海に墜落したエジプト航空804便。

乗員乗客全員が死亡した事故は巡航飛行中に突然90度方向を変え、さらにそこから360度旋回。そして高度37,000フィート (11,000 m)から15,000フィート (4,600 m)まで急降下しレーダーから消えました。このような出来事から、何らかのテロが発生した可能性も示唆されたのですが回収された遺体からはテロの痕跡が見当たりませんでした。

ALERT Leaked French report says the crash of EgyptAir #MS804 was likely caused by the cigarette of a smoking pilot - AIRLIVE

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そして、2018年7月フランスの民間航空安全調査分析局(BEA)はコックピットで急速に火災が広まった可能性が高いという内容を発表。そしてこの火災を発生させた原因、つまり火元はパイロットにあった可能性が高いことがわかりました。

掘り下げると、フランスの民間航空安全調査分析局(BEA)は回収された部品に問題はなく当初テロの発生を疑っていました。しかし、2018年には旅客機内で火災が発生していたと結論付けたもののその火災を発生させた原因が分かりませんでした。

そこで注目されたのはコックピットで何らかの火災があったことです。2022年4月、パリの裁判所に提出された新しい報告書では火災は喫煙パイロットのタバコによって引き起こされた可能性が高いと結論付けています。そしてパイロットの酸素マスクの1つから酸素が漏れ出していたことで発火しました。

日本では機内全体でタバコは禁止されていますが外国ではそうではないそうです。この機体はパイロットの喫煙が禁止されておらず、2ヶ月前に過度に灰皿が使用されてため本体が交換されていたといいます。

この事故については134ページのレポートがあるのですが、火災発生の箇所を見ると『飛行機はコックピット内で酸素漏れが発生。この音はマスクからシューという音がブラックボックスのレコーダーに録音されている』としています。その後については記載はないのですが、着火したところタバコが勢い良く燃え上がり、パイロットやコックピットに燃え移ったということが考えられます。

問題はなぜマスクから酸素漏れが発生したのかです。その原因は事故発生の3日前に行われたエジプト航空の整備ミスです。保守作業員により酸素漏れを起こした酸素マスクが交換されていたものの、そのリリースバブルが緊急の位置に設定されていました。この緊急の位置にあれば酸素がより高い圧力ででリリースされるため酸素漏れが発生する可能性があるとエアバスのマニュアルで記載されていました。

つまり事故原因は整備ミス、パイロットの喫煙ということになるのですが、そもそもなぜパイロットがコックピットで未だに喫煙しているのか。この時点で起こるべくして起きた事故ということになりそうです。