
ブレインフォグ(脳の霧)と呼ばれているのは新型コロナに感染したことで、脳の認知機能が低下するという問題です。これに関して重症化した人の脳に関してイギリス ケンブリッジ大学の研究者は重症者に対する認知機能は20年相当の老化に相当する可能性があると報告しています。
|
Cognitive Impact of Severe COVID Is Equivalent to 20 Years of Aging, Study Finds
Multivariate profile and acute-phase correlates of cognitive deficits in a COVID-19 hospitalised cohort - eClinicalMedicine
研究者によると「認知障害は認知症など老化を含む様々な神経障害で共通しているものの、新型コロナ由来の認知障害はこれら全てのものと異なっていた」とも述べています。
研究では66008人と感染し重症化した46人を調査し、年齢とその平均からどの程度認知機能が逸脱しているのか評価しました。しかし結果は悪く、少なくとも一般のひとより正確性が低く、応答時間も遅いことがわかったとしています。
この研究はあくまで感染してから6ヶ月後という時点で行われたもので、過去の研究では認知機能が回復したという内容も報告されているのですが、今回のものでは「せいぜい段階的だ」というもので、「感染から10か月後までに何人かの患者を追跡したのですが、非常にゆっくりとした改善を見ることができました」とも表現されています。
しかし研究者は「少なくと回復はしているのですが、全員が元に完全に回復しない可能性が非常に高い」と主張しています。
現時点でなぜ新型コロナに感染すると軽症であってもブレインフォグ(脳の霧)が発生するのか、そして場合にょっては今回のような認知障害が発生するのかよく分かっていません。説としては脳血管の凝固や微細な出血などが理由ではないかという説、体の免疫反応が結果的に脳のダメージを与えている説など複数存在しています。
*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。