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大気圏内を高速で突き進む極超音速兵器についてはアメリカを始め日本、ロシア、中国など様々な国で開発されていますが、米軍はAGM-183Aという過去3回失敗した兵器の試験にはじめて成功したと報じられています。

詳細は明らかになっていないのですが、試験されたのは現地時間2022年5月14日、南カリフォルニア沖で戦略爆撃機B-52Hに機外搭載される形でAGM-183Aをミサイルのように発射、試験は成功したと発表しました。

US Air Force successfully flies hypersonic missile on fourth attempt

AGM-183Aは最近であれば2021年12月に試験をしたのですが、このときは発射することができずミサイルを搭載したまま基地に戻っています。

AGM-183Aはどのようなミサイルなのか。実は過去に搭載している様子が公に公開されています。


そしてこのように発射されます。
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この手の極超音速ミサイルの特徴は直接ターゲットに飛んでいくのではなく一旦宇宙に向かいます。このようにロケットのように先端のフェアリングを分離。先端にある尖った物体が最終的にターゲットを攻撃する本体になります。
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こちらは地上発射型ものになるのですがこのように宇宙に飛び出したあと大気圏内に戻り、薄い大気内を突き進むことで弾道ミサイルよりもより低空を突き進みつつ進路を変更することができるので迎撃も難しいとされています。

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速度については最初に大気圏に再突入する速度はマッハ20です。これは人工衛星を投入するロケットさほど変わらないのですが、本体は高度を下げ空気の薄い高高度を超音速(マッハ5前後)で滑空しながら高度を着弾地点まで進路を変え、垂直に落下しターゲットを破壊します。

射程については最大で1600kmとされているのですが詳細は不明です。このミサイルは爆撃機以外もF-15といった戦闘爆撃機でも運用可能とされています。


ただ今回の試験では具体的に飛行速度や高度といった内容は発表されませんでした。当局としては今年何度かテストを実施し2023年に早期運用能力(EOC)の獲得を目指します。