元少佐カナマト・ボタシェフ撃墜

海外メディアによると、元ロシア空軍の退役軍人で少佐の階級だったというカナマト・ボタシェフという人物がウクライナ上空で地対空ミサイルで撃墜され死亡したと報じられています。

海外メディアによるとBBCは5月22日、ウクライナ軍参謀本部の発表としてウクライ東部、ロシアと国境を接し、ロシアが実行支配している地域でウクライナ兵が放った携帯式地対空ミサイル『スティンガー』によりSu-25 フロッグフィット攻撃機が撃墜され、操縦していたカナマト・ボタシェフという退役軍人の少佐が死亡したと伝えています。

▼カナマト・ボタシェフ 昔の写真
元少佐カナマト・ボタシェフ撃墜_1

"Стингер" на выходе из атаки, взрыв в воздухе и… Всё". Российские паблики обсуждают гибель летчика-генерала - BBC News Русская служба

▼Su-25
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BBCによると、この死亡はボタシェフの元部下が確認しているものだとしており、状況については脱出する時間が無くそのまま墜落したと報じており、映像でよく目にする地対空ミサイルを避けるため低空飛行、もしくは地上攻撃を行うため低空を飛行していた際にスティンガーミサイルで撃墜されたと考えられます。

▼同じエリアでSu-25が墜落したというツイート

不思議なのはなぜ退役軍人つまり一般人が攻撃機に乗り戦争に参加しているのかという点。これに関してはロシアは今年3月以降、ロシアの入隊などを管理している組織が募集をかけていたらしくボタシェフはこれに志願していたという趣旨の内容が記載されています。
そのため高齢の元軍人が投入されていることが確認されておりBBCによると50歳以上の戦死者は少なくとも9人はいるとしています。

撃墜された原因については不明ですが海外の軍事系メディアによるとまず63歳という年齢についても問題があるとしており、アメリカの51歳の元パイロットは「低空飛行は非常に多くの作業が必要となり、若い世代のパイロットに比べると視力や精神的な敏感さが劣るため、パイロットとして戦闘に参加するのは無理だ」という趣旨の反応を示しています。


問題行動のボタシェフ

カナマト・ボタシェフはいったいどのような人物だったのか記事ではまとめられているのですが簡単に紹介すると軍人だった時代の2012年6月、未許可でSu-27 フランカーを飛行させ曲芸飛行を行っていたところコントロール不能に陥り墜落。その後裁判にかけられています。
そしてこれ以外にも2011年にもSu-34を許可なく飛行していたことが発覚。結果有罪となり4年間の保護観察と500万ルーブルの罰金を言い渡されました。

これ以降彼は退役。その後は準軍事組織で副議長を務めるなどしていたとのことです。