ロシア冷戦時代のT-62投入

ウクライナ侵攻であきらかになりつつあるロシアの軍事力。特に核以外の通常戦力、戦術・戦略に関しては西側は過大評価しすぎていた可能性もあるのですが、損害が出続けているロシア軍は今から半世紀以上前に運用が始まった戦車の発展形をウクライナに投入していると報じられています。

ロシア軍でもほとんど運用されていない21世紀に運用が始まった戦車もその1週間後に撃破されるという失態を見せているロシア軍。当然ウクライナ側にも相当な被害がでているのは間違いないのですが、いずれにしても西側から供給されウクライナが使用しているミサイルが想像以上に効果的だったことが今回のウクライナ侵攻では明らかになりました。

Russia Deploys 50-Year-Old T-62 Tanks To Ukraine | The Drive

そんなロシア軍ではウクライナに投入できる戦力がかなり失われているとされているのですが、最近、ウクライナ南東部のメリトポリ駅で1960年代の冷戦時代に開発された発展型となるT-62が撮影されました。これはウクライナとの最前線に近いところであり、侵攻から3ヶ月でロシア軍にはこの戦車を投入しなければならないほどの損害が出ている可能性があります。


記事によると、まずロシア軍が保有している戦車は1万両で別途、軽装甲車など8500両があるとされています。このうちおよそ1/4、2500両が旧式であるT-62が占めているとのこと。

ただ、これも正しくはなしらしく2011年の段階でT-62は900両あったものの大半が動けるような状態ではありませんした。うち150両程度が稼働可能なものだったとされています。2013年にはT-62をスクラップにして放棄することが決定されたものの、方針を変更し再整備したものを輸出して金儲けする一方で2018年には国内で復帰させた車輌を輸送する訓練も行っています。そのためロシアが運用可能なT-62の数としては現在、多く見積もっても数百両程度ではないかと考えられます。

今回の侵攻でロシア側にでた被害は、戦車に関してはウクライナ発表では1300両、オープンソースアナリストのオリックスによると視覚的という表現では700両としているのですが、実際はもっと多いとしており、両方の中間である1000両あまりが正しい数値と考えられます。

つまりロシア軍は既に1/10戦車戦力を失っており、その多くが比較的新しいT-80やT-90(T-72の発展型を含む)と考えらます。したがってこのT-62はいったい誰が運用するのか、ロシアの正規軍なのかそれとも支援している親露組織なのかは不明なのですが、いずれにしてもこれを投入しなければならない状況が出ているという判断には間違いありません。

T-62




戦車のカテゴリーについては○○世代というものがあり、これは第二次世界大戦後開発された戦車でその性能や年代ごとに分けられています。このT-62はソ連ではT-54・55が第一世代、T-62が第二世代となり、現在のT-80が第三世代、T-90が第四世代となります。

1960年以降に試作され、65年にはじめて赤の広場で公式に確認されたT-62はレーザー測定器を導入するなど様々な改良が施され、今回ウクライナで確認されたのはT-62M、MVという近代化改修型で増加装甲を装着した型になります。

なぜロシアがT-62を投入したのかは理由は不明なのでが、単純に比較的最新型の車輌が無くなっている以外も西側の経済制裁で修理などが行えず再投入することが出来なくなっている可能性もあり、投入可能な戦車が既に限られていることも考えられます。
ただそこで問題になるのは戦力としては十分な攻撃力があるものの、旧式であるため故障が相次ぐことも考えられるます。
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