003型航空母艦_中国

中国海軍が配備する空母としては3隻目、建造したものとしては2隻目となる『003型航空母艦』とする艦艇に関して国内メディアによると、近々進水する可能性があると報じています。

中国が3隻目の空母を近く進水させる可能性があると中国共産党系メディアが伝えました。アメリカのシンクタンクも上海の造船所の衛星写真から、先月21日から31日の間に空母の隣のスペースに水が入れられ、進水の準備が進んでいると分析しています。新たな空母は戦闘機を加速して発進させる「電磁式カタパルト」を搭載しているとみられるということです。

TBS
中国が初めて配備した所謂『正規空母として』現在は2隻、001型航空母艦(旧001A型航空母艦)『遼寧』があり、これを中国が研究して発展させたものが002型航空母艦『山東』があります。この2隻は艦首に坂道のようなスキージャンプが設けられているのですが、この003型航空母艦(愛称なし)に関しては、カタパルトが搭載されていることはほぼ確実であることはこれまで分かっていました。

China Gears Up to Launch Its Third Aircraft Carrier | Center for Strategic and International Studies

▼2022年5月31日に撮影された003型空母
003型航空母艦_中国_1

▼カタパルトの拡大。合計3箇所
003型航空母艦_中国_2

現在カタパルトには2つ、蒸気カタパルトと電磁カタパルトの2つがあり003型空母はどちらを採用するのか明らかになっていなかったのですが、今回TBSが報じた内容としてアメリカのシンクタンク発表として電磁カタパルトを搭載している可能性が高いとしています。

電磁カタパルトはアメリカの最新鋭空母となる『ジェラルド・R・フォード級航空母艦』にのみ採用されています。


こちらが米軍の電磁カタパルトです。蒸気カタパルトの場合はレールからモヤモヤと蒸気がでるのですが、電磁カタパルトはそれがありません。

では中国の電磁カタパルトはどうなのか。実は2017年時点で中国が研究している電磁カタパルトの写真がでまわっていました。


もちろん射出される艦載機も開発されています。


中国の003型空母に関しては通常のディーゼルエンジンを採用しているとされ、アメリカのように原子力ではないことから物理的にも蒸気を作ることが難しく設計が複雑になる可能性があります。ただ電磁カタパルトに関しても簡単な技術ではなく、アメリカでも射出に関わる調整が難しいという欠点が過去に報じられていたことがあります。

いずれにしても蒸気・電磁どちらであってもカタパルトを搭載していることは間違いなく、スキージャンプの大きな欠点である、兵器などの搭載量が解決することができるため海軍力の大幅な増強が見込まれることになります。この空母に関してはさらに数年後に就役となるのですが、その頃には予想では原子力を搭載した004型空母の建造が進んでいるものと思われます。