003型空母 福建

中国が急速に増強している海軍力。特に空母を含む艦艇の建造も進んでいるのですが中核を担う空母に関して今後も建造するのか、どのようなものを建造するのか中国共産党機関誌の一つである環球時報の報道を紹介しています。

まず記事にはいくつか重要な内容が記載されているのですが、現在中国では艦首がせり上がったスキージャンプの飛行甲板がある空母を2隻(遼寧・山東号)、そして最近進水した空母はアメリカのように最新の電磁カタパルトを搭載しています。これは福建号です。この3隻があるのですが今後どう空母を建造していくのでしょうか。

国防部这样回应“中国会建造更多航母吗?” 军事专家的解读来了



記事では2022年6月30日の国防部で行われた定例記者会見で、譚克飛報道官は「中国は今後も大型空母の建造を続けるのか」という質問に対し、「現在の国際情勢からより多くの空母を開発する必要がある。他国の空母史から、中国が短期的に空母の建造を続けるなら福建艦(つまりカタパルトを搭載した最新の空母)の設計に基づいて最適化とアップグレードを行うべき」との見方を示しています。
つまり4隻目以降については異なる設計ではなく同型艦にするべきだというものです。

また中国の軍事専門家である宋中平という人物も「今後より多くの空母が必要だ」と主張しています。さらに軍事専門家の張学峰という人物は「アメリカなどの空母開発史を見ると、空母建造のコスト削減のためには、空母の設計が相対的に成熟した後に安定期を迎えること、つまり同型の空母を1隻ではなく複数隻建造することが望ましい。 この観点から中国が短期的に空母の建造を続けるのであれば福建省の艦船の設計をベースに最適化・高度化する必要がある」と同様の主張になっています。


原子力空母を保有については「10万トン級の原子力空母の方が強力だが、同時にそのような空母はコスト的にも高い」とし、 将来比較的安価な空母を建造するか、より高価な原子力空母を建造するかは「国家安全保障上の必要性と装備技術の発展に応じて総合的に検討されるべき」であると主張しています。


内容は以上ですが、中国の4隻目以降の空母については3隻目つまり福建号の同型艦になる可能性が前々から指摘されており、動力については原子力というよりも通常動力で関連技術が成熟したときに別の空母としてより大型の原子力という形になる可能性も示唆されました。