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二酸化炭素よりも遥かに温室効果があるメタン。イギリスの研究チームは再利用可能な触媒を用いて常温かつ光、その他安価な素材を使うだけでガスのメタンを液体メタノールに返還できる画期的な技術を開発しました。

マンチェスター大学とオークリッジ国立研究所の研究者は有機金属フレームワーク(MOF)という新しい技術を開発。この多孔質の素材を利用することでガスのメタンと酸素、そして水をMOFに流し、かつ日光を当てることで化学変化が発生し、ガスメタンが液体メタノールに変換できるとのこと。液体メタノールは水で薄められた状態ですがこれは簡単に抽出(濃縮)できるとしています。

Methane converted into methanol at room temperature – just add light

専門的な内容が記載されており誤りがある可能性があるのですが、このMOFという触媒は200時間の反応を行ったあと洗浄することで最低でも10回は繰り返し使用することができるとしており、改良を加えることでメタンとメタノールの変換量も増やすことができるとしています。

この成果はNatureMaterials誌に掲載されており、今後バイオ燃料や溶剤、農薬、車両用の燃料添加物の製造に同様MOFによる変換が使えるのではないかとしており、メタン以外にも他の物質を組みわせることで変換できるようになるのではないかと研究者は話しています。

従来メタンをメタノールに変換するには、高温と高圧を必要とするためエネルギーを大量に消費してしまい、ある意味で逆に環境が悪くなるようなものになっていました。メタンは第一次産業以外も工場の製造プロセスで発生しそれを燃焼させることで処理することあるとのことで今後は回収するなどしてメタノールという使いやすい物質に変えるということが行われるようになるかもしれません。