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イギリスのリアクション・エンジンズが発案し現在アメリカなどで各種試験を行っているのはことSABRE(セイバー)と呼ばれるエンジンです。これは一つのエンジンでマッハ25まで加速でき、宇宙空間に到達することができるものとして開発を続けているのですが、現在大気圏内で使用するマッハ4での動作試験を実施すると報じられています。

1000度近い温度を1秒未満の時間で-150度に瞬間的に冷やすことが求められているセイバーエンジン。このエンジンが実用化できれば通常の滑走路から宇宙に飛び出し、滑走路に戻ってくることができるという真のスペースプレーンが実現できるとされてます。

Reaction begins testing Mach 4 jet engine upgrades for US Air Force

これを発案したのは見出しでも紹介したようにイギリスのリアクション・エンジンズ。現在はイギリス以外にもアメリカでも研究が行われており、既にアメリカ国防総省が資金投入しているなどこのエンジンが実現できれば軍事は当然のこと航空分野におけるゲームチェンジャー的存在になります。

さて、そのような技術は今現在どの程度開発が進んでいるのか。
このエンジンは大気圏内ではマッハ5、宇宙空間ではマッハ25程度で動作することになっているのですが現在は離陸からマッハ4まで動作することを確認するためのテストが開始しているとのこと。

セイバーエンジンのプリクーラー

セイバーエンジンは理論的・技術的にも現在作ることはできるとされているのですが、最も複雑かつ難しいのはエンジンを瞬間的に冷却するプリクーラーの技術開発です。現在マッハ5でエンジンに入ってくる極超音速気流を1,000°Cから-150°Cまでわずか1/20秒で冷却するする技術は実証しているものの、今後のテストでは更に熱負荷は3倍となると予想されています。

この新しい試験はコロラド州にて数週間かけて実施するとしています。またこのプリクーラーは既にある最新のジェットエンジンにも組み込めるかどうか評価するよう設計されているとしており、これは第6世代戦闘機や極超音速で飛行する偵察機など将来の軍事分野への導入も視野に入れていることが伺える内容が記載されています。

現在人類が開発した大気圏内を巡航飛行できる機体として最速の機体は米軍のSR-71という偵察機で、飛行速度はマッハ2.85です。つまりマッハ4で動作することが確認できればこれよりも遥かに高速な機体が作れることになります。