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山を貫通するトンネル。これにより往来が活発になるどころかより大量の貨物も迅速に届けることができるようになったのですが、このトンネルについては依然として高コストかつ作るには時間がかかります。一方でアメリカの謎の企業Earthgridが従来に比べ100倍も早くトンネルを掘るという謎の技術を発表しています。

以前アメリカのペトラという企業が熱で岩石を砕きつつ高速で掘り進めるという内容を紹介しました。実は今回紹介するEarthgridも熱で高速にトンネルを掘るという技術を用いています。

Earthgrid aims to re-wire the USA using super-cheap tunnel tech

従来のトンネルは皆さんもご存知のようにドリルのように先端を直接岩盤に接触させ推し進めることで貫通させるということを行っていました。一方、今回紹介するEarthgridのは岩盤に接触することはありません。これは先端に27000度という高速のプラズマ放出。それを回転させることで岩盤を砕くという案です。

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特許によると、1メートルサイズのトンネルを掘る場合は先端に72個のプラズマトーチを搭載。各トーチは500kWの電力を消費し低出力状態で40MW、高出力時に120MWを消費します。

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もちろん1Mの穴では小さすぎます。そこでこの車両の後ろにマザーリグという更に直径の大きいスタージを用意。更にファザーリグを用意することで直径10mの穴をほることができるとしています。この3つのステージが消費する電力は合計で1.38GW(ギガワット)という膨大なものになります。

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これが実現できれば1日最大1km掘り進むことができます。革命的な速度で従来よりも100倍も早い速度です。そしてコストも1メートルあたり300ドル程度でできると主張しています。



いろいろツッコミどころが多いのですが、現在トンネルというのは穴を掘った後は周囲に壁を作りつつ前に進むということを行っています。理由は崩落する可能性があるためです。しかし今回の特許にはそれが描かれてません。もちろん山を掘り進むには大量の地下水も考えなくてはならないのですが、このマシーンは対応できるのか…。
熱を加えれば当然その熱が加わった岩盤はもろく崩れやすくなります。この工法もその熱でもろくしたものを利用しています。つまりトンネルとしては安全性が疑わる可能性があります。