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地球軌道を高速で飛び回る宇宙ゴミ。小さいものではネジや塗装片、大きいものでは人工衛星サイズもあるのですが、カナダの大学によると特に大きい宇宙ゴミが地球に落下して人を傷つける確率が今後10%に達するなどとよくわからない試算を発表しています。

カナダのブリティッシュコロンビア大学研究チームは、過去30年間の人口衛星データを使って地球軌道上の宇宙ごみが制御不能状態で大気圏に落下、再進入した後に地上に墜落し人命被害を引き起こす確率を分析しました。

現在地球軌道上には縦横10㎝以上の宇宙ゴミは約3万5000個あるとされています。さらに小さい直径1cm以上を入れると90万個、直径1mm以上のものは1億3000万個程度と推定されています。これらは過去人類が打ち上げた人工衛星やロケットの破片で中には人工衛星をミサイルで破壊したり人工衛星同士がぶつかって発生した破片が含まれています。



特に小さい宇宙ゴミは宇宙空間では問題になりますが地上では問題になりません。それは落下の過程で大気との影響で加熱され消失するためです。燃え尽きず落下する破片はこれまでも確認されているのですが、人に命中するということはほぼ発生したことがありませんでした。

その上で特に問題になるのは低速低空で地上に落下することがある第1段ロケットや打ち上げに失敗したロケットです。大学の研究陣はあくまで現在の打ち上げ傾向でロケットが大気圏に再突入する可能性を推定するとあくまで現在の人に対して命中する確率よりも10%ほど高くなる可能性があるとしています。(死傷者を出す確率)

▼地上に落下する中国の第1段ロケット

ロケットについては打ち上げが失敗するなどして被害が出た場合は発射した国が保証することになっています。
中国ではロケット発射場が政治的な理由から内陸に打ちしており、打ち上げに失敗したロケットが落下したり、第1段目がそのまま落下することが多々報じられています。もちろん新しい発射場はより海側に作られるなど対応が進められているのですが、打ち上げ回数が増すことで全体を見れば被害が出る可能性がゼロではないと言うことになりそうです。

参考