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アメリカ陸軍が運用を目指すのは2014年に退役したOH-58 カイオワ偵察ヘリの後継機です。本来は退役のタイミングで後継機が導入・置き換えされるのですが、2022年現在も選定されていません。今回はその候補の一つ、ベル・ヘリコプター社のインビクタス360を紹介していきましょう。

最近ベル社は次期攻撃偵察ヘリとしてインビクタス360を開発しています。この計画にはベル社とシコルスキー社が選定されており、将来的にどちらか優れた1社のヘリが導入される予定です。

Nearly Complete Invictus Armed Scout Helicopter Looks Wicked In New Photos

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こちらがインビクタス360と呼ばれているヘリです。スペックを先に紹介すると機首には3連装のXM915 20mmバルカン砲を搭載。大きい翼にはハードポイントという兵装を搭載できる装置は無いらしく、両脇のミサイルはヘリ内部からレールを伸ばして出すようになっているとのこと。

その兵器トラックには両方で4発のヘルファイア対戦車ミサイル、その他のミサイルが4発搭載しています。



搭載しているエンジンはプラット・アンド・ホイットニー社のPW200ターボシャフト・エンジン。出力は586 shp (439 kW)です。巡航飛行速度は330km/hです。行動半径は250km程度で作戦地域で90分間の戦闘が行える性能となっています。

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最大の特徴はこの翼です。一般的なヘリには搭載されておらず、軍のものには一部で短い物が搭載されているのですが、こちらのヘリでは非常に長いものが付けられています。専門用語ではスタブ・ウィングと呼ばれとており、この機種で巡航飛行した場合揚力の50%を発生させるとしています。

ただ、翼を載せることで空気抵抗やステルス性能に問題が出ること。低速飛行時は揚力が発生しないためただの貨物状態になってしまうというデメリットがあります。あとはメンテナンス時に邪魔にになったり点検数が多くなるという問題もでてくるかもしれません。

一方、米軍によるとこのヘリとシコルスキー社のヘリを2028年までに選定し導入を目指したいとしています。まずは2023年に双方のヘリを飛行、評価しどちらか優れている兵器を導入します。

▼シコルスキーのレイダーX
レイダーX