火星_1

太陽系で地球以外に生命が存在する惑星として候補になっているのは火星です。今後火星地表からのサンプルリターン計画も進められているのですが、このような火星の岩石を地球に持ち帰っても安全なのか、元NASAの職員はこのように回答しています。

結論から先に書くと、まず地下ではなく地表の比較的浅い位置にあるような岩石や土壌サンプルであれば安全ではないかと見ています。

Mars Rock Samples Probably Won't Infect Earth With Deadly Martian Plague, Scientist Says

なぜそう言えるのかは地球とは異なる火星環境にあります。火星には地球のような磁気シールドがほぼ存在せず生物にとって有害な宇宙放射線にさらされている点です。また紫外線や火星の乾燥した環境を考えても火星のウイルスなどが地球に驚異を与える可能性はかなり低いのではないかとしています。

また火星由来の隕石は少なからず地球に落下しており、仮にその病原菌が含まれていた場合は地球上でそれなりの影響がでているだろうとも主張しています。

このような問題を解決するには例えば一旦宇宙船など別の環境で調査することが求められるのですが、NASAとしてはそのような機材は十分な性能のある宇宙用のものが開発されていないとしています。

いずれにしても火星には液体の水が地下にあるとされており何らかの生命がそこにいる可能性はあります。いつ地球外生命体が発見されるのか。うまく行けば今世紀前半にも何らかの進展があるかもしれません。

ちなみにNASAの物理学者によると火星の地表は強い宇宙放射線にさらされていることから最低でも2メートルは掘り下げないと生命の痕跡すら見つける事はできないだろうと主張しています。