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遺伝的にガンを患いやすい家系というのは科学的にもどうやら認められているところなのですが、これに関してリンチ症候群の遺伝子を受け継いだ子孫が引き起こしやすい、食道がん、胃がん、膵臓がんといった上部消化管ガンに関して、毎日30gのレジスタントスターチ摂取で大幅に癌リスクを抑えられる結果が得られました。

イギリスのニューカッスル大学の研究者らが世界各国20年間行われた調査結果として、レジスタントスターチを摂取すると特に食道がん、胃がん、膵臓がんといった上部消化管がんに対して想定外の減少効果が確認できたと発表しています。

Dietary Supplement Cuts Risk of Hereditary Cancer by 60%, Scientists Find

この研究ではリンチ症候群を患う918人について463人に内容を知らせず粉末状のレジスタントスターチを毎日30グラム摂取してもらいました。残りの455人はレジスタントスターチを含まない成分を摂取してもらい10年後どのような病気を患ったか調査しましました。

結果、レジスタントスターチを摂取した463人のうち上部消化管ガンを患ったのは5名、一方でレジスタントスターチを含まない成分を摂取したグループでは21人のガンが確認できました。これは明らかにレジスタントスターチに効果があった可能性が伺えます。

なぜレジスタントスターチがガンの発生を抑えたのかについては「胆汁酸の細菌代謝を変化させることによって癌の発生を減らし、DNAに損傷を与えて最終的に癌を引き起こす可能性のある種類の胆汁酸を減らす可能性がある」と説明しています。

リンチ症候群は結腸直腸癌、胃癌、子宮内膜癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、尿路癌、腎臓癌、胆管癌、小腸癌、脳癌を発症するリスクが大幅に高まる病気でレジスタントスターチはその中でも食道がん、胃がん、膵臓がんに対して有効性が研究レベルで認められました。

記事によると、大腸癌についてはアスピリンを摂取することで最大50%ほど発生リスクを抑えられたという研究が2020年に発表されているとのことです。この研究にもとづき特定のガンについてはアスピリンやレジスタントスターチが有効なのは明らかだと説明しています。

レジスタントスターチは難消化性でんぷんまたは耐性でんぷんとも呼ばれているもので、緑色のバナナ、オーツ麦、エンドウ豆などに豆類に多く含まれています。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。