フィットネストラッカー_新型コロナ

軽症・無症状が9割以上ともされる現在の新型コロナウイルス。「BA.5」の場合、感染したとしても発症するまで平均で2.4日としているのですが、一般的なフィットネストラッカーという腕時計端末を使えば発症するまでに検出できると主張しています。

マクマスター大学が行った研究によると、約1,000人の若い被験者に対して健康観察研究としてAvaブレスレットとして知られる市販の手首装着型のフィットネスデバイスを提供しました。このデバイスは夜間のみ装着し10秒ごとに心拍数、呼吸数、皮膚温度、心拍変動、血流を測定するものになっています。これらの5つの健康指標の変化はリアルタイムで追跡できデータとして利用することができるというものです。

Wearable system detects COVID two days before symptoms appear

マクマスター大学の研究者は過去1年にわたりフィットネストラッカーで調査したところ被験者の11%が新型コロナに感染しました。その感染者の半数が感染の1ヶ月前から継続的にフィットネストラッカーを着用しており、新型コロナの初期段階で発生する小さな変化を検出できるアルゴリズムの開発ができたとしています。

具体的にどのような変化が体内で発生していたのかについては、新型コロナの症状が現れる前日に顕著な変化があるといい、ウェアラブルによって記録された5つの測定値すべてで検出されているとのこと。特に、心拍数、心拍変動、手首の皮膚温度の変化は新型コロナの重要な初期の特徴だということがわかりました。

研究者は「私たちの研究は人工知能と連携したこれらのデバイスにより症状の発症の前に病気を検出しコミュニティにおけるウイルス感染を減らす可能性があることを示しています」と説明しています。

今後同研究チームは2万人の被験者を集め大規模な調査を行うとしており結果は今年後半にもまとめられるとのこと。「フィットネストラッカーを用いる体調の変化は新型コロナだけではなく、省らは別の病気の予防的治療につながり、重大な合併症を防ぐ可能性もあります」と期待されています。