韓国のマネートゥデイによると2022月8月1日から脊髄性筋萎縮症(SMA)治療剤となる「ゾルゲンスマ」に健康保険を適用することに決定しました。これは開発したノバルティスと健保公団の薬価交渉を経て薬価は上限金額を約20億ウォン(2億円)とし、患者家族はその所得に応じて83万～598万ウォン(8～60万円)で投薬を受けることができるというものす。

一方韓国ではこの治療を受けるため例えば外国人が入国して半ば制度の穴をつき保険治療を行うのではないかという不安です。これに関して関連業界と国民健康保険公団は、外国人が入国してゾルゲンスマを投薬する可能性は事実上ないと主張しています。

記事によると、初年度対象患者数は14人とし投薬に277億ウォン(約27億円)と設定。翌年からは毎年７人ずつ新規患者が発生すると推定しています。この設定された金額を超えた場合はノバルティスが負担しなければならないという取り決めになっているとしています。

つまり、仮に投薬対象者が14人を超えたとしても韓国政府側がノバルティスに支払う額に上限が設けられているということになります。また投薬するにもこの病気は生後9ヶ月未満で適用、10ヶ月以上で適用外となります。生後4ヶ月頃の診断でその判断がされるというもので、仮に外国人が入国した場合を想定しても6ヶ月以上国内に滞在する必要があるということから投薬の対象から外れる可能性が相当高いとしています。

脊髄性筋萎縮症とゾルゲンスマ

脊髄性筋萎縮症(SMA)は生まれた時から運動神経細胞の機能が損なわれて発生する疾患で特に重度では呼吸機能も働かなくなり死に至ります。このゾルゲンスマは病気を引き起こす脊髄性筋萎縮症を引き起こすSMN1遺伝子の機能的代替を提供するというもので、病気の根本原因を取り除くことができたった一度で完治効果を示すという神薬になっています。(詳細は不明)

ちなみにこの薬は日本国内でも受けることができるのですが、薬価は1患者あたり1億6707万7222円と薬としては最高額となっています。理由については有効性の高さと他の治療を1回で終わらせることができる…云々ということで極めて高額な薬価が設定されたとのこと。またこの病気を発生が少なく需要も少ない一方で、開発に莫大な予算が投じられたことにも理由はあると思います。
仮に受けた場合の費用については高額療養費制度・小児慢性疾患医療費助成制度などが適用され家族が負担する金銭的な負担は実質ゼロ円程度になるとしています。(参考)