トンガ火山_1

今年1月15日、南太平洋トンガに位置するフンガ・トンガで大規模な火山噴火が発生し、山体が吹き飛ぶという人類が観測した火山の中でも最大レベルの規模となりました。この爆発に関して放出した水蒸気量が約146テラグラム、146兆gというこちらも桁違いの量になったと報じられています。

爆発による煙が高度58kmに到達し観測史上最大レベルの爆発になったフンガ・トンガ火山爆発。今月2日アメリカのNASAの研究機関であるジェット推進研究所は、この爆発に伴い発生した水蒸気量がオリンピックプール5万8000杯以上となる推定約146テラグラム、146兆gと考えられると発表しました。

これはオーロラ衛星が観測したデータから分析したもので、研究チームによると、火山が爆発した直後、水蒸気とオゾンを含む大気ガスを測定するオーロラ衛星には信じられないほどの水蒸気レベルとして観測されました。その量が高度12~53kmの大気層に146テラグラムに達する水蒸気の量になったもので、なんと地球の成層圏にある水蒸気の約10%に達する量だとしています。
この程度水蒸気量であれば一時的に地球の平均気温にも影響を及ぼすことができる膨大な量であると分析されました。

▼爆発に巻き込まれた島
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研究をリードしたルイス・ミラン博士は「当時、私たちの測定値が信頼できるかどうかを確認するために何度も再検討しました」とし、「1991年フィリピンで発生した火山爆発により成層圏に上昇したと推定された水蒸気量の実に4倍だった」と説明しています。

水蒸気に関して温室効果を発生させるものでこの量が仮に増えるとなると温暖化が促進されます。この爆発と水蒸気が現在の北半球を襲っている異常な高温に関係があるのかは示されてはいません。しかし、日本では記録的な暑さが観測されており、欧州でも第二次世界大戦後最もひどいレベルの熱波となっていることからもこの2つが偶然にも発生したことについては今後調査されるかもしれません。