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多種多様な鳥。野山で暮らす種は木の上で立ちながら睡眠しているのですが、不思議なのはなぜひっくり返って落ちないのかです。実は木から落ちないのは睡眠と足の構造に理由があるそうです。

ScienceABCという科学系のニュースサイトによると、小鳥から大型の鳥類が寝ているときにバランスを崩し落っこちないのかについて、私達哺乳類と鳥類は睡眠や足の構造が異なるためだと説明しています。

Why Don’t Birds Fall Off Branches When They Sleep? » Science ABC

まず鳥の脳についてです。鳥の脳も人間の脳も浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返すものの、ノンレム睡眠について哺乳類は数分続くものの鳥類は長くても数秒しかないとのこと。これは天敵から身を守るためだと考えられており、鳥類のノンレム睡眠はわずか10秒程度しかないといいます。

そして鳥の中には片方の脳ずつ睡眠にはいるという人間ではまずみられない活動を行っています。つまり左目が閉じていれば右脳、右目が閉じていれば左脳を睡眠状態にしており、こちら天敵から身を守るためだとしています。これはイルカなどでも確認されているのですが、専門用語では『半球睡眠』と呼ばれています。

鳥のなかには飛びながらも寝続けることができる種がおり、例えばヨーロッパアマツバメはなんと10ヶ月間、1度も陸に降ることなく永遠と飛び続けるという驚異的な生体が明らかになっています。



他にはグンカンドリという大型の鳥類も3000kmを一度も着陸することなく飛行し続けており、確認された睡眠時間は1日あたり平均42分。これも半球睡眠という右脳と左脳が交互に睡眠状態に入ることで飛び続けることができ、睡眠時は気流に乗りグルグルと旋回し安定飛行中に片目を閉じた飛行を行っているとのこと。



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そして枝で寝ているときも落下しない理由のもう一つ、足の構造です。なんと鳥たちは枝に止まっているとき、つまりしゃがみ込んでいる時は足の腱の構造から自動的に枝を掴むようになっており、指とツメが内側に食い込むようになっているとのこと。この足の構造は寝る時以外も、例えば獲物を足で掴む鳥はこの自動ロック機能が有効に働きしっかりと掴むことができるとしています。

また一部の鳥はひっくり返って寝ることがあるもののそれでも自動ロック機能は働き続け、落ちる事はないそうです。

▼ひっくり返りながら寝るハチドリ