航空大手ボーイングは現在アメリカ海軍の空母で運用されているF/A-18E/F スーパーホーネットを用いて地上に設けられた空母を模したスキージャンプ台から飛び立つという非常に珍しい映像を公開しました。アメリカではこのような飛行甲板の空母、強襲揚陸艦を保有していないのですがなぜテストを行ったのでしょうか。
ボーイングのニュースリリースによると、2020年12月11日メリーランド州にあるパタクセントリバー海軍航空基地でF/A-18スーパーホーネットがスキージャンプ台から飛び立てることを証明したと発表しました。
Boeing Super Hornet Demonstrates Ski-jump Launch Capability
アメリカ海軍及び海兵隊で用いられている空母と強襲揚陸艦にはスキージャンプ台は搭載されていないのですが、今回なぜこのような試験を実施したのでしょうか。スキージャンプのデモンストレーションは、インド海軍が保有また将来保有する空母での運用を想定したシミュレーションを実施し正しく機能することはわかっていました。ボーイングによると、実際に使用できることを検証するため実機を用いたテストを行ったとしています。
ボーイングはF/A-18A/ Bホーネットでもインド海軍が運用するようなスキージャンプ台から飛び立つ試験を実施したことがあるものの要件を満たす事ができなかったとのこと。
テストに用いられた機体、F/A-18E/F ブロックIIIはシリーズの中では最新型となる機体で今年6月に2機が試験機としてアメリカ海軍に引き渡されたものを使用しました。ボーイングは、2021年から米海軍にブロックIII機能を提供する契約を結んでいます。ブロックIIIにおける対地攻撃の能力は5倍、対空攻撃能力は2倍となっており、米海軍が運用する最大射程の武器も運用可能になるとしています。
空軍機とは異なり艦載機は非常に少なくインドが採用可能な機体はフランスのラファール、ロシアのMiG-29Kのみ。MiG-29Kはインド国内でも相次いで墜落事故を起こしており印象の点では選定される可能性は薄いとみています。
インドは現在運用している空母と将来運用を予定している空母で用いる57機の選定を行っている他、空軍で使用するマルチロール戦闘機 110機の購入計画があります。この2つの機種を1つの機体で割り当てる可能性もゼロではないとみられており、ボーイングとしてはスーパーホーネットを押しているとみられています。
機体の機能面を考えた場合、F/A-18E/F ブロックIIIが最有力選択肢になることは間違いないのですが、他機種よりも機体サイズが大きく折りたたんだとしても格納スペースが取られてしまうという潜在的な欠点もありインドがどの機種を選定するのかが注目されます。
Boeing Super Hornet Demonstrates Ski-jump Launch Capability
アメリカ海軍及び海兵隊で用いられている空母と強襲揚陸艦にはスキージャンプ台は搭載されていないのですが、今回なぜこのような試験を実施したのでしょうか。スキージャンプのデモンストレーションは、インド海軍が保有また将来保有する空母での運用を想定したシミュレーションを実施し正しく機能することはわかっていました。ボーイングによると、実際に使用できることを検証するため実機を用いたテストを行ったとしています。
今回のテスト結果を受けてボーイングは「F/A-18 ブロックIII スーパーホーネットは、インド海軍に優れた戦闘能力を提供するだけでなく、米国とインドの間における海軍航空における協力の機会を創出します」とし、将来インドの空母で運用する艦載機として選定した場合は米海軍などこれまで技術を進化させてきた数十億ドル相当の最新テクノロジーを受けることができると主張しました。⛷ #SuperHornet hits the slopes!
— Boeing Defense (@BoeingDefense) December 21, 2020
Watch as an F/A-18 takes off from a ski-jump ramp, demonstrating the ability to operate effectively from @IndianNavy aircraft carriers. pic.twitter.com/eBSaYF97sy
ボーイングはF/A-18A/ Bホーネットでもインド海軍が運用するようなスキージャンプ台から飛び立つ試験を実施したことがあるものの要件を満たす事ができなかったとのこと。
テストに用いられた機体、F/A-18E/F ブロックIIIはシリーズの中では最新型となる機体で今年6月に2機が試験機としてアメリカ海軍に引き渡されたものを使用しました。ボーイングは、2021年から米海軍にブロックIII機能を提供する契約を結んでいます。ブロックIIIにおける対地攻撃の能力は5倍、対空攻撃能力は2倍となっており、米海軍が運用する最大射程の武器も運用可能になるとしています。
空軍機とは異なり艦載機は非常に少なくインドが採用可能な機体はフランスのラファール、ロシアのMiG-29Kのみ。MiG-29Kはインド国内でも相次いで墜落事故を起こしており印象の点では選定される可能性は薄いとみています。
インドは現在運用している空母と将来運用を予定している空母で用いる57機の選定を行っている他、空軍で使用するマルチロール戦闘機 110機の購入計画があります。この2つの機種を1つの機体で割り当てる可能性もゼロではないとみられており、ボーイングとしてはスーパーホーネットを押しているとみられています。
機体の機能面を考えた場合、F/A-18E/F ブロックIIIが最有力選択肢になることは間違いないのですが、他機種よりも機体サイズが大きく折りたたんだとしても格納スペースが取られてしまうという潜在的な欠点もありインドがどの機種を選定するのかが注目されます。