ステルス戦闘攻撃機として空軍型、海軍型、そして垂直離着陸が行える海兵隊型の3タイプが開発されたF-35。実はこの機体についてエンジンが原因で来年までに最悪の場合20%が使用停止になる可能性があると報じられています。
簡単にまとめると軍事系ニュースサイト『ディフェンスニュース』によると今月12日、米国国防総省当局者の話としてF-35に搭載されている戦闘機用としては極めて高出力なエンジンとなっているプラット・アンド・ホイットニーF135エンジンに問題があるといい、2022年までにこのエンジンを搭載したF-35の5~6%が利用できなくなる可能性が高いと報じています。
- エンジンのタービンブレードが想定以上に早く摩耗
- エンジンのメンテナンスに時間がかかり要員も不足
- 問題が是正されない場合、最大20%の機体が運用できなくなる
- F-35はタッチパネルや音声認識がまともに動かないという問題も抱えている
これまはあくまでアメリカ軍が保有している機体に限った話になるのですが、その原因についてはF135エンジンに関してローターブレードのコーティングが想定以上に早く消耗していることが明らかになりこれにより多くのメンテナンスがかかる問題が発生しています。更にメンテナンスを行なう人員が足らなくなるという物理的な問題も発生しており、現時点で2022年時点で5~6%のF-35がエンジンが理由で運用できなくなると説明しています。
▼プラット・アンド・ホイットニーF135の燃焼試験。エンジン出力は一般的な戦闘機のエンジン2基分に匹敵する
ただ、この数値は現在の状態が改善された場合の数値であり、人員補充など是正がされない場合は最悪20%のF-35が運用できなくなるとしており、例えば米空軍ではF-35によるアクロバット飛行チームも全米で行なう8回分の航空ショーを取りやめる発表するなどエンジンの消耗を抑えるためF-35の稼働率が低下しているとしています。
F-35についてはこれまでも複数の問題が発生しており、例えば新技術として搭載している音声認識やタッチパネルに問題があるというものです。記事では匿名のF-35戦闘機パイロットは、タッチパネルの大型ディスプレイスクリーンが装備されているものの、触っても反応しないなど約20%で発生していると報告。またF-35の音声制御機能は基本的に役に立たないとしており、「実際に音声制御を使って戦闘機を操作しているパイロットに出会ったことはない」と不満を漏らしたたと報じています。