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基地から遠く離れた敵地まで飛行し爆弾を落として帰投する爆撃機。敵地付近まで近づく空母艦載機の攻撃任務とは異なり大型爆撃機の任務は一般的な旅客機と同じように長時間の飛行になるのですが、この間トイレはどうするのでしょうか。今回は気になるアメリカの爆撃機とトイレ事情を紹介します。

中国メディア環球網が報じた内容として、米軍ウェブサイトの報道としてアメリカ空軍で働く女性隊員のため空軍は戦略爆撃機にトイレ用のカーテンを設置することを検討していると報じています。

当該記事によると、米空軍は繊維会社や衣料品を扱う会社にプライバシー保護用のカーテンの提供を要請したといい、このカーテンは「B-52爆撃機の任務は長時間飛行する必要があるため特に乗組員に男女がいる場合、トイレを使用する際のプライバシー保護の必要性が高くなるためだ」と、アメリカ政府のウェブサイトに記載されているとのこと。

アメリカ空軍によると、B-52爆撃機の場合、1回あたりの任務の飛行時間は最大でも40時間になる可能性があるとしています。以前、雑誌に掲載された写真ではB-52爆撃機にはコックピットの後ろの空間に小さなトイレがあり、排泄時にバッグを利用する仕組みになっているそうです。そして任務後にバッグを廃棄することになっているとのこと。ただ、このトイレには間仕切りのようなものは存在していないとのことです。

大型になればなるほどトイレも快適?

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▲C-17 グローブマスターIII

では他の爆撃機はどうなのか。アメリカ空軍が保有するいくつかの大型機には仕切りのあるトイレが備わっているそうです。例えばC-130 ヘラクレス輸送はトイレ仕様時にカーテンで覆うことができる小便器を貨物室に備えており、より軍用大型長距離輸送機でるC-17 グローブマスターIIIや空中給油機 KC-46にはトイレと洗面台が備わっているとのこと。同様のラバトリーは空中給油機KC-135、KC-10、C-5にも備わっているとしています。米空軍スポークスマンによると、これら輸送機や空中給油機は空間が確保できるため一般的な爆撃機と比べると快適だと説明しています。

では他の爆撃機はどうなのか。記事によると、超音速爆撃B-1Bはコックピット後部に小さなトイレがあるそうです。しかし、世界一高価な大型ステルス爆撃機B-2は劣悪らしく、間仕切りがない場所にステンレル製のボウルがあるだけだとのこと。

調べてみると、航空自衛隊の輸送機C-2にも同じようにトイレが備わっており公開されている写真には旅客機のような真空吸引式の洋式トイレが備わっており、小さい鏡や水を貯めた簡易タンクを使い手を洗うことができるようになっています。

ただ、国内を飛行するレベルでは事前に済ませておけばトイレを利用するようなことは殆どないというものの産経新聞によるとトイレの充実レベルは「笑い話ではなく、士気に関わるほど大切な問題だ」という自衛隊員の声を紹介しています。


現在米空軍は女性隊員のキャリアに影響を与えるような障害を取り除くため改革を続けているとい、特に2019年以降から女性用のフライトスーツや制服の開発に力を入れています。これは先日発表された女性の髪型の規則変更もその一つです。現在アメリカ空軍における女性隊員は全体の21%を占めるまでになっています。



参考