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おじさんが工業製品を組み立てているようにしか見えないこちらの写真。実はアメリカが運用する核弾頭の1つ『W80』のアップグレード及びメンテナンスの様子を映したものだといいます。今回はこの核弾頭について紹介していきます。

弾道ミサイル=核兵器とは言わないように、弾道ミサイルにも通常の爆発物を搭載されているものがあります。そのような場合は『通常弾頭』と呼ばれており、一方で核兵器が収められていれば『核弾頭』という表現になります。

最近アメリカ国家核安全保障局が発表した写真の中に、W80-4という核弾頭に関して近代化(アップグレード)する様子が映し出されていたといいます。

W80核弾頭_1

w80-4核弾頭は150キロトン(TNT爆薬換算で150,000トン)の相当する威力のある核兵器で、かつてはトマホークの弾頭に搭載するなどいくつかのタイプが存在していたものの、現在は戦術核兵器の海上配備廃止方針により空軍型のみ運用されています。

具体的にはAGM-129 ACMというアメリカ空軍で運用されている巡航核ミサイルがあり、B-52やB-1B、B-2といった爆撃に搭載され空中発射する形で運用します。飛行速度は亜音速の800km/h、射程は3400kmあるといわれています。特にAGM-129 ACMはその形状からも高いステルス性能があるとされています。

▼AGM-129 ACM
AGM-129 ACM

W80核弾頭_2

さて、こちらの写真について具体的にどのようなアップグレードが行われているのかまでは不明です。ただ、核弾頭のアップグレード、特に延命対策の内容として金属で作られているため各種コンポーネントにサビなどの劣化が出てくる場合があるといいます。したがって特にコアコンポーネントには検査と交換が必要になるとのこと。

現代の核兵器のコアコンポーネントにはレアメタルが用いられており、経年劣化により故障の原因(つまり不発)になるため定期的な交換が必要になってくるとのことです。

W80核弾頭_3

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