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 工業廃水に含まれる希少金属を吸着する特殊な素材を開発したのはフランスのベンチャー企業です。金やプラチナは当然ながら、鉛、銅、カドニウム、ウラン、水銀といった有害な重金属を吸着できるとしています。

 マグパイ・ポリマーズ社が提供しているのは工業廃水から金を取り出すという特殊な技術です。抽出に使用されるのはカカサギポリマーというプラスチック樹脂で、廃水に含まれる金やプラチナ、パラジウム、ロジウムなど希少金属を吸着するようにできているといいます。

 具体的にどのくらいの希少金属がとれるのかというと、樹脂1リットル分で廃水5~10立方メートルから50~100グラムほど。関係者によるとこれだけの量で「3000~5000ユーロ(約30~50万円)相当になる」としています。

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写真:カカサギポリマー

 マグパイ・ポリマーズ社は2011年にオランダ人のバンジュトフェン氏、フランス人のエティエンヌ・アルモリック氏により立ち上げられたベンチャー企業です。バンジュトフェン氏によると水から金属を取り出す方法は19世紀からあるものの、コストや技術的な面で使われなくなっていたとしています。マグパイ・ポリマーズの技術は、希少な金属の回収だけでなく鉛や水銀、コバルト、銅、ウランといった有害な重金属の抽出にも使えるとしています。

 マグパイ・ポリマーズでは、希少金属の回収を専門とする「精製業」を主な取引先と見込んでおり、今後、鉱山グループや大規模水処理企業なども同社の技術に興味を抱くと想定しているそうです。

参考:AFP