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 莫言氏といえば今年ノーベル文学賞を受賞したことで有名ですよね。そんな莫氏の旧居には観光客が殺到しているらしく、なんと中庭の野菜どころか苗木に至るまで持ちされれてしまったそうです。

 山東省高密市。ノーベル文学賞発表後、観光地と化してしまったのは中国人作家・莫言氏の旧居です。発表後にわかに注目を集めメディア取材が行われるようになってからは週末に200~300人が訪れるという状態だといいます。しかし、その観光客により中庭は荒地になってしまったといいます。

野菜も苗木も根こそぎ…
 旧居には人が大勢訪れるようになったことで中庭の芝は荒れ、植えてあった大根や苗木も根こそぎ持ち去られてしまったといいます。野菜を持っていく理由は「莫氏の文才に少しでもあやかり、有名大学に合格させたい」と親の身勝手な理由によるもの。

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写真:旧居の中庭。植えられているのは人参。

 中には大根や苗木の代金を渡そうとする“律儀な人”がいるそうなんですが、旧居のガイドをしている莫氏の2番目の兄・管謨欣氏は「皆さんわざわざ遠くから出向いて来てくれているのだから」「親が子どもの大成を願う気持ちは十分理解できる」ということで受け取っていないそうです。

莫氏の旧居
 莫氏の旧居は1912年に建てられ、彼は55年の出生から従軍までの22年間を過ごしました。従軍中も帰省などで度々帰ってきており、88年に高蜜市に家を購入し、妻子とともに旧居から引っ越し。90年には莫氏の両親も今の家に越し、旧居は使われていませんでした。

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 高蜜市の政府宣伝部と山東省の観光局の調査チーム、同行していた旅行会社の職員によると、莫氏の旧居を含めたツアーコースを考えているらしく、仮に実現ずると旧居の修繕は必要条件になるとしています。しかし、莫氏自身「税金の無駄使いの上に政府にも迷惑をかける」とし過去に何度か拒否したことがあり、莫氏の家族も仮に観光場所として開放する際は、無料で開放すると家族の意見が一致しているとのことです。