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 とある中国人元記者が失業保険をだまし取っていたとし詐欺容疑で書類送検されました。家宅捜査が行われたそうなんですが、なんとこの人物の家からは海上自衛隊の基地や乗員の配置などを撮影した写真が見つかっていたといいます。
 今回は問題とされた配置表や当直記録の写真をネット上で見つけたので合わせて紹介します。

中国共産党機関紙
 失業保険約15万円をだまし取ったとし、詐欺容疑で書類送検されたのは中国国籍の薩蘇元記者(42)。この記者が来日したのは1999年。06年には中国共産党機関紙の国際情報紙の契約記者をしていました。しかし、防衛省関係者からの情報を受け、同課などが2012年5月に元記者の自宅などを家宅捜索したところ、一般公開されていた海上自衛隊佐世保基地の護衛艦の写真など約300枚があり、中には乗員の配置表や当直記録などを撮影したものもあったといいます。

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写真:佐世保基地とその周辺

 兵庫県警外事課によると、2010年9月に沖縄・尖閣諸島付近で起きた中国漁船衝突事件の直後に長崎県佐世保市の海上自衛隊の基地で情報収集を行っていた疑いもあるといいます。薩蘇容疑者は任意聴取中の2012年7月に体調不良を訴え無断で出国し、すでに日本国内にはいないようです。


薩蘇
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 書類送検された薩蘇容疑者は2010年9月19日、海上自衛隊の許可を得て中国語メディア初の軍事機関の取材を行っています。この時の取材は佐世保基地に停泊している護衛艦に乗り込み複数枚の写真を撮影しています。以下はチャイナネットで公開されている取材写真。(モザイクは掲載時に編集したものであり、チャイネットでは無修正のものが公開されている)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月28日の記事
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護衛艦「いそかぜ」のもの。当直として実名が書かれている。

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配員の写真。こちらも実名入りで砲雷長、水雷長の名前など複数名が書かれている。

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護衛艦「おおよど」の当直記録

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年9月28日に書かれた薩蘇の紹介

 2000年より日本を拠点とし、アメリカ企業の日本分社でITプログラミングプロジェクトのマネジャーを務める。妻は日本人。2005年、新浪にブログを開設、中国人、日本人、およびその間の見過ごされがちな差異、あるいは相似、歴史的な記憶などについて語る。書籍作品は、中国国内で高い人気を誇る。文学、歴史を愛するITプログラマーからベストセラー作家という転身ぶりが話題。

人民中国に投稿された『薩蘇の日本観察記』はこちらから