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「株よりも石を買うのほうが楽しい」
 ここ中国の個人投機家の注目を浴びているのは株式や不動産ではなく石ころです。なんと、経済発展と共に石ころの取引相場が高騰しているといいます。(写真は石で作られた中華料理)

北京市の骨董街である潘家園市場。露店には石ころが並べられており、その様を大勢の人が見ているといいます。ライトを当てると深い緑色を放つ石は客の一人が説明するには、古来より珍重されてきた玉(ぎょく)の一種と説明しています。

 中国では2006年に新疆ウイグル自治区の玉が30倍に高騰。価格は1kgあたり100万元だったのが3000万元(3億9000万円)になったことをきっかけに宝石市場の投機ブームが生まれたとされています。 

 潘家園市場で250ユーロ(2万5000円)相当の石を購入したという男性は「石のことはよく知らない」とするも「株より石を買うほうが楽しい」と語っています。実際のところ、中国国内に3億人いると言われる中間所得層に彼のような考えを持つ割合が高く、多く取引されいるといいます。

 もちろんそれを見て無価値な石を本物と偽り売る露天商も多く、 潘家園市場で売られているそのほとんどが偽物だと言われています。

中国人と石

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画像:文字のような絵柄がついた泰山石

  日本でも石をコレクションしている人はいますが、実は中国でも同じです。それは必ずしも投機目的ではなく、天然の彫刻により文字や動物に見える石に何らかの御利益がある信じる人も多いと言われています。

 その中でも価値があるといわれているのは「泰山石」と呼ばれる泰山山脈で採れる石です。 泰山石は見た目が良い以外に、古くから霊力をもたらすとも言われておりコレクターの李樹成(リー・シュウチョン)さんは、「実証はできないけれど、5000年も言い伝えられているからには道理があるに違いない」と語っています。 

参考:レコードチャイナ石の鑑賞が好きな中国人