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 宇宙飛行士の訓練場という地下の洞窟で、宇宙飛行士らが採取したサンプルから新種のワラジムシが発見されました。

新種のワラジムシが見つかったのはイタリア・サルディニア島の鍾乳洞です。実はこの洞窟、ISS(国際宇宙ステーション)に乗り込む宇宙飛行士の訓練場にもなっており、今年の9月に野口宇宙飛行士も他の6名の宇宙飛行士とともにCAVES訓練(洞窟を利用した極限閉鎖環境適応訓練)で6日間を洞窟内で過ごしました。この時、洞窟内の池の近くに餌を置き、数日後に回収したサンプルに新種のワラジムシが含まれることが分かったといいます。

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写真:洞窟で見つかった新種のワラジムシ

 ワラジムシはかつて水中から陸上に上がり陸上生活に完全適応した唯一の甲殻類(カニやエビなどの類)なんですが、 今回発見されたのはさらに進化サイクルを一周して再び水中に戻ったワラジムシだそうです。

ワラジムシ研究者のStefano Taiti氏によると「ごく少数いる水中ワラジムシは、陸上にいるワラジムシの原始的なものと考えられていました。しかし今回の発見で、ワラジムシが再び水中生活へと進化したということが明らかになりました。これはとても重要な発見です」と、述べています。

CAVES訓練



 9月8日~13日に行われたCAVES訓練では野口宇宙飛行士の他、国際宇宙ステーション(ISS)計画に参加するESA、NASA、カナダ宇宙庁(CSA)、ロシア全パートナーの宇宙飛行士で構成される6名のチームで行われました。

 訓練は集団で数日間にわたり生活しながらミッションを遂行していく体験を通して、リーダシップや自己管理能力、異文化・経験の枠を越えたチームワーク形成能力やコミュニケ―ション能力の向上を目的に行われるもので、いずれもISS長期滞在時には必要不可欠な能力とされています。

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参照元:JAXAAstroArts