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世界第二位の経済大国になった中国。しかし、中国内陸部、農村にある小学校に支給される給食の補助金はわずか3元(40円)にすぎないそうです。

中国農村部の小学校で教育支援として教壇に立つボランティア教師が、中国版ツイッターこと「微博」に学校給食の厳しい現状を公開し議論を呼んでいるといいます。湖南省鳳凰市臘璽山鎮にある所徳小学校には約110人の児童が通っているといいます。しかし、学校で教えている教師は6人で3名はボランティアだといいます。そのボランティアの一人、大学生の梁さんは最近、「国から補助金として支給された3元が、子どもたちの手元に届いた時には、1パックの牛乳と1個のミニパンになっている」という現状を公開しています。

梁さんによると、配られる給食は牛乳パックとミニパンが1つずつで、パンが直径6センチ、厚さ1.5センチ。現地の小売業者によると、牛乳の卸値は1パック1.6元(約21円)、ミニパンは0.3元(約3.9円)。これをもとに試算すると、国が支給している1人当たりの補助金3元のうち、30%以上が販売業者の懐に入っていることになると主張しています。

では中国政府は農村部の学校給食に充てている給食補助金はどのくらいなのか。中央政府の財政から毎年160億元(約2080億円)が充てられているそうで、約680県・市の在校児童・生徒計2600万人がこの対象になっているといいます。もちろん、鳳凰市の学校もその対象で、わずか3元にすぎないものの、子ども1人の1回分の食事を十分にまかなうことができるとしています。

中国農村部の栄養情況

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2012年5月19日、中国学生栄養・健康促進会が北京市で発表した「2012年中国児童少年栄養・健康報告」によると、中国農村の半数近い子どもたちは1日2食しか食べていないことが分かったといいます。また、調査時点で3分の1の子どもたちが過去1カ月に1度も肉を食べていない、卵を食べていない子どもは3分の2、牛乳を飲んでいない子どもは80%。おかずが漬け物だけ、あるいはご飯に塩をかけただけの子どもたちもいたといいます。

こういった報告もあり、2011年10月に中国国務院は「農村義務教育学生の栄養改善計画」を採択し、給食補助金の支給など栄養環境改善に向けての取り組みを続けていました。これがここでいう給食補助金の3元なんですが、実はこれを支給するにあたりきっかけとなった活動があります。

2011年4月に香港の時事週刊誌「鳳凰週刊」の主任記者を務めるドン・フェイ氏が貧困地区の77校の小学生1万人に対し、昼食を無償提供するという活動を始めました。11年10月までに2億円の寄付が集まったそうなんですが、この活動が後の「農村義務教育学生の栄養改善計画」を作るに至ったという経緯があり、民間活動が中国政府を動かした初めてのケースだと言われています。
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