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妊娠中に「○○はしないほうがよい」「○○は食べないほうが良い」などと聞きますよね。今回ラットとニコチンを用いた喘息の研究を行ったところ、孫の代までその影響を残すことが分かったとのことです。

妊娠中の喫煙と喘息

米ロサンゼルス生物医学研究所のVirender K. Rehan氏らが英医学誌「BMC Medicine」 に発表した論文によると、母ラットが摂取したニコチンによるぜんそくへの影響は胎児ばかりでなく、胎児の将来の子、つまり母ラットの孫にまで同様の影響を与えることが分かったといいます。

ニコチンと喘息になんらかの関係があると言われるようになったのは、2005年南カリフォルニアで行われた疫学研究です。母体内でニコチンにさらされた新生児は、出生後から親になるまで一切喫煙歴がなくても、その子供が小児喘息になりやすい傾向があると報告されたといいます。
この疫学的事実を実験的に確かめる目的でRehan氏らは、母ラットにニコチンを投与すると子ラットに小児ぜんそく症状が起きることを確認したとしています。具体的には母ラットに投与したニコチンが、子ラットに後天的な遺伝子変異であるエピジェネティック変異を起こすかどうかを調べたという内容なんですが、この辺りは難しいのでカットします。

結果的に妊娠中には喫煙をしないことが一番なんですが、それでも止めれない場合として、「PPARγ(ガンマ)」というタンパク質を活性化させる「ロシグリタゾン(rosiglitazone)」を母親に投与することで、後天的な遺伝子変異であるエピジェネティック変異を抑制することができると書かれています。(ロシングリタゾンは海外では糖尿病の治療薬として使用されているそうです。日本では未承認)

アメリカでは女性のうち12%が妊娠中でも喫煙を続け、年間40万人の新生児が母体内でニコチンにされされていると考えられています。

参照:あなたの健康百科