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溢れかえる車と交通マナーの悪さで激しい渋滞が発生している中国。その中を救急車といった緊急車両も走ることになるんですが、誰も道を譲ろうとせず患者が死亡するという出来事があったそうです。

今月7日、北京市海淀区田村北路で自転車に乗った50代の市民がタンクローリーにはねられ重傷を負うという事故が発生しました。直ちに救急車が駆けつけ病院に向かったものの・・・。

当時、事故の連絡を受け現場に急行したのは北京120救急センターの王雨竹医師。王医師は骨折および裂傷で血まみれのけが人に心肺蘇生を行った後、救急隊員に武警総合医院へ搬送するように指示をしたといいます。しかし、道路は渋滞しておりサイレンを鳴らそうがマイクで呼びかけようが車は全く動こうとはしなかったといいます。

一方けが人は呼吸が1分につき2~3回まで低下。午後6時40分、武警総合医院に到着した時、けが人はすでに死亡していました。事故現場から病院までわずか3km。到着までに40分もかかってしまいました。王医師はこの搬送で道を譲った車はわずか4台程度だったと述べています。

また、王医師は「救える命が救えなかった」という趣旨の内容をマイクロブログに投稿し、これを見たユーザーからは「他人を思いやるのは自分を思いやること」「社会道徳をみんなで守ろう!」とコメントがあったといいます。

参考:中国と交通渋滞
北京交通阻塞1


こういった人たちにどういう思考が働き道を譲ろうとしないのか。実は韓国でも『救急車に道を譲らない現象』があるとされています。この問題についてインカムPR財団及び、インターネット世論調査会社のマクロミル・コリアが全国の男女1000人を対象に「救急車に関する認識について」のアンケートを行ったところ、救急車に道を譲らない理由として(複数回答)
  1. 道を譲れるスペースがない (75.4%) 
  2. 本当に危険な状況なのか信じられない (35.9%)
  3. ほかの車が譲らない (24.4%) 
  4. 道を譲る方法が分からない (12.5%)
という回答がありました。また、「本当に危険な状況なのか信じられない」と回答した人のうち24.7%が「(救急車がサイレンを鳴らしていても、救急患者を運んでいるとは思えない」と回答したとされています。一方、救急車のサイレンがレッカー車や警備会社のサイレントと非常に似ているらしく、全体の57.6%が区別がつかないと回答しています。

参考:レコードチャイナ、 2ちゃん的韓国ニュース