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経済発展と共に道路には車が溢れかえり、深刻な交通渋滞が発生している中国。車を運転していると“道を譲る”という場面が発生するんですが、この譲るという行為について中国では「自分が損をするから道は譲らない」という意識があるといいます。

先日、中国で救急車に道を譲らす3km移動するにの40分かかった挙句、患者が死亡するという出来事がありました。しかし、中国人は何故道を譲ろうとしないのか。この出来事があった今月、中国青年報が実施したアンケート調査を実施したところ、「譲れば自分が損をする」との回答が60%を超えていたといいます。

この考え方について山東大学哲学・社会発展学院倫理学研究室のビエン・シャオビン主任は、「現代中国があまりにも激烈な競争社会であることが原因だ」と述べています。少しでも遅れれば競争から負ける。そうならないよう、親たちは子どもに「絶対に譲るな、譲れば損をする、譲るのではなく奪え」と教え込んでいるとと説明しています。

中国の交通事情!

実際のところ「譲れば損をする」ということ以前に信号無視や歩行者道への侵入、極度に狭い車間距離、高速道路の入り口から逆走など傍若無人な運転が一般的に行われていることも事実です。もちろん車だけではなく歩行者も同じで、集団で赤信号を渡るなど渋滞発生の原因を作っています。

復旦大学哲学学院のユー・ジャージュン講師は、「譲り合いの大事さをちゃんと考えていない結果だ」と指摘しています。「明日は我が身ということを理解せず、譲り合いを拒否すれば、自分自身を傷つけることになる」と話しているとのことです。


今回の調査調査は12月13日にインターネットで「譲り合い」という概念についてアンケートを行ったもので、その中で、「あなたは譲り合い精神を持っていますか?」という質問に対し、75%が「はい」と回答し、続いて「分からない」が20%、「いいえ」が4%でした。

参考:Record China